表紙写真の説明
岩手県九戸郡種市町の八木港である。港湾法に基づく乙種漁港で、漁船の利用も多い。全体は南北両港から成っているが、写真は北港の昭和52年11月14日の姿を南側上空から見たものである。三陸リアス海岸の北側に位置し、北は八戸市南は久慈市に接する。三陸沿岸特有の偏東風は比較的少なく、西南西の風が卓越する。藩制時代からの寄港地である。大正末期に漁港として造成がはじまったが、昭和23年南港の竣工に伴い指定港湾、昭和26年乙種港湾となる。昭和48年から近代的漁港化をめざし港湾改修工事に着手、現在も工事が進行中である。八木港全体の現状は防波堤延279m、延面積37,500平方メートル、けい留施設延639m、入港可能最大水深-3.5mである。
地元のイカ釣り船(10から15トン)を主体としてサバまき網運搬船の入港もあり、年間利用漁船延7,250隻、16,800トン(昭50)におよぶ。荷扱量(昭55)はサバ、イカ、アワビ、ホヤ、海藻類を中心に1.2万トン6.7億円である。製氷施設日産75トン、冷蔵施設500トン、20トン未満の漁船上架施設がある。荷捌所は明年完成予定、給油施設(200トン)は計画中である。現在、鮮魚類は主にトラックで八戸市へ輸送されている。
なお、以上の情報収集には八木漁業協同組合参事宇部喜一郎氏のご協力を頂いたことを記して感謝の意を表する。
(H.K.、写真:水産航空提供(昭52.11撮影))
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