第4回 東北ブロック水産海洋連絡会について

武藤清一郎



 表記会議は今年は岩手県水産試験場の当番で盛岡市(2月20・21日)で開かれ、青森・岩手・宮城・福島・茨城の各県水産試験場・東北水研に釧路水産試験場も加えて参加者は33名に達しました。尚県水試調査船の船長・機関長も参加しております。
 第1日日の議事は昭和48年度の東北海区・各県地元の海況の検討を行ないました(綜合海況は本ニュース6、7参照)。特に2月中旬頃岩手県沿岸に接岸し以降、三陸沿岸から時によっては福島県近海までおおった。冷水現象について、岩手水試を始め各水試より現状報告がなされました。この冷水により、各種のへい死現象が起きていますが、長期間停滞するとワカメ等の養殖に影響を及ぼす可能性があり、今後東北水研海洋部が、各県の情報をとりまとめ、旬毎に各県水試及び関係方面に連絡することになりました。尚この速報は3月下旬で第4報を出しています。詳細は本ニュースの「東北沿岸の異常冷水について」を御参照下さい。
 次に6題の研究発表が行なわれました。以下にその表題を記載します。
 鹿島沿岸水域の水質(塩分・水温・DO)の年変化について茨城水試 杉山豊樹
 鹿島沖冷水について茨城水試 久保治良
 福島県沿岸定線の特徴について福島水試 石井 勇
 三陸沖暖水塊と沿岸水温との関係宮城水試 渡辺誠樹
 岩手県沿岸域における親潮系冷水の出現状況について岩手水試 岩間宝作
 海況分析の一手法について青森水試 木村 大
加えて東北水研よりSTD及び「農林水産業における環境保全と土地利用技術の再評価に関する綜合研究」(新別枠)の紹介がありました。
 2日日は漁海況調査について打合わせを行ないましたが、厳しい石油情勢の下で各調査船の調査回数も大きな影響をうけることになるので、各調査の調整を行なうことにしました。次年度は青森水試が当番ですが、茨城県(策1回・昭和46年)から始まった本会議も5年を迎え、東北海区の海洋担当者の意見も種々出されているので、次年度の会議では、今までの論議を整理して、沿岸〜近海の海洋研究の一層の充実を共にはかりたいと念願している次第です。
Sei-ichirou Mutou

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