新しい船
(1)漁業調査船わかたか丸(表紙写真)
本船は房総沖から根室沖に至る北太平洋北西部において、海洋観測および漁業資源調査を行う鋼製漁業調査船である。その主業務は採水・測温・測流、卵稚仔・プランクトン採集などの海洋観測、浮魚(サバ・スルメイカ等)や底魚(カレイ・タラ等)を対象とする魚群調査などで、それらに必要な調査器具の一部は本船に常備されている。なお定けい港は青森県八戸市である。建造は九州の臼杵鉄工所臼杵工場で、44年9月27日に起工され、45年2月10日進水、3月25日引渡された。
要目は次の通りである。
総トン数 | 143.26屯 | 主機関 | キャピラー510PS | 1 |
長 さ | 28.50M | 推進器 | かもめ可変ピッチ | 1 |
巾 | 6.00M | 補機関 | キャピラー 64PS | 1 |
深さ | 3.00M | 発電機 | AC230V 50KVA | 2 |
最高速力 | 10.5KT | 冷凍装置 | 3.1R/T | 1 |
巡航速力 | 10KT | トロールウインテ | |
魚倉 | 7.3立法メートル | 2t×60M/MIN | | 1 |
清水倉 | 15.4立法メートル | 3000Mウインチ | | 1 |
燃料倉 | 23.2立法メートル | (調査用) |
その他GEK、魚探、電気水温計、電気風向風速計等。
なお燃油には軽油を用い、船内は暖冷房完備で、炊事も電熱である。
表紙写真は本年9月8日12時00分、本船がスルメイカ・サバ資源(八戸支所)、北方亜寒帯(海洋部)の合同調査のため北緯40度51分、東経143度00分(八戸沖65海里)で停船観測中、たまたま同日漁海況予報事業飛行機観測で同海域を行動中のセスナ機(資源部林技官搭乗)が会合し、乗務員が撮影したものである。)
45年6月から9月末迄に次の調査航海を行なった。
1) | 6月10日〜16日 | (八戸支所) |
2) | 7月1日〜2日 | (海洋部・増殖部) |
3) | 8月17日〜29日 | (海洋部・増殖部) |
4) | 9月6日〜12日 | (八戸支所・海洋部) |
5) | 9月14日〜23日 | (海洋部・増殖部) |
(2)高速調査艇「海耕」
本調査艇は前出の「別枠研究」を能率的に実施するため、当所(塩釜港)と江の島実験漁場を短時間で結ぶための外洋高速交通艇として、また潜水観察用の作業艇として購入した(税抜き約800万円)もので、ギャレー、トイレット及び2〜3名分のバースを備えたデラックスなFRP艇である。45年9月29日当所ボートハーバーに入庫し、厳粛に修祓式がとりおこなわれた。なお艇名は所内職員からの公募によった(増殖部菅野技官案採用)。
要目は次の通りである。
製作所 | ヤマハ発動機(株) |
型式 | SRT−25 |
全長 | 7.60M |
全巾 | 2.80M |
深さ | 1.32M |
重量 | 4.95屯 |
定員 | 10〜12名 |
ハンドル | 右 |
トランサム | 1/0 |
艇色 | アイボリー(マーキュリーマークルーザー) |
馬力 | 165PS×2 |
最高速力 | 60km/H |
巡航速力 | 50km/H |
燃費 | 40リットル/H×2 |
最大航続 | 5.5H275km(補助タンク使用) | |
kiren@myg.affrc.go.jp
目次へ戻る
東北水研日本語ホームページへ戻る