昭和44年度第1回サンマ長期予報会議


1 日 時 昭和44年8月22〜23日
2 場 所 東北区水産研究所会議室
3 参加機関及び人員60名
 東北水研・北海道水研・北海道中央・釧路・青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉・神奈川・静岡各県水試・宮古水高・大島高校・木村漁場研・漁場知識普及会・全サンマ・全漁連漁海況センター。
4 議題及び討議内容
第1日目(8月22日)
 下記のプログラムに従い,東北水研始め関係各県水試より調査報告及び問題点の指摘があり,それについて検討討議が行なわれた。また,総合討論については東北水研担当官よりそれぞれ話題の提供が行なわれ,討論に入ったが近年の漁獲の急激な減少,殊に昨年の激減現象,魚体(中型魚)の変化(小型化)等の問題があるので,活発な論議が行なわれ,魚体の変化については明年3月予定のサソマ研究討論会の主要テーマとして,関係水研・水試で問題点を充分整理して再度論議することが約束された。
 なお一般討議は総合討論で打切り,予報案の作成はこれ迄の現況分析や総合討論の結果に基づき,各機関より代表者1名以上に残って貰い小委員会を作り,原案の作成を行なった。
(1)海況経過と現況・・東北水研・漁場知識普及会
(2)漁況と魚群の動向
1)定置網・地先漁業・・静岡県〜北海道,各水試
2)近海・沖合北上群・・東北水研・各道県水試
3)北方水域の魚群分布・・北海道釧路水試
(3)総合討論(話題提供 東北水研)
1)漁場形成と推移
2)来遊群の構造と漁獲物組成
3)資源水準と漁獲量(漁獲努力)
(4)漁況予報案の作成(小委員会付託)
第2日(8月23日)
(5)前日小委員会でとり纒めた予報の原案について
その内容及び文章についても全員で再検討・修正の上昭和44年度第1回サンマ漁況予報を作成した(結論の部のみ)。
(6)調査船の無線連絡
1)陸船問の連絡
2)船間連絡
3)連絡一覧表の作成
上記の件について打合せを行なった。
(7)その他
次期予報会議の日時の決定,研究推進の方向等について話し合いを行なった。
 サンマ漁況予想
1 漁  場
 第2次・第3次解禁当初の漁場は海洋状態などから判断すると,沿岸部は釧路〜色丹島近海,沖合は釧路沖暖水塊の東〜南側あるいは黒潮北上分派北側の潮境周辺(146°〜151°E)に形成されるものと思われる。
 然し,沿岸魚群は親潮勢力の発達状態によつては南下が早まり,9月末頃までには襟裳岬南の親潮前線へ達するであろう。また沖合水域は今まで発見魚群は少ないが,この方面の魚群も9月下旬頃には40°〜42°N,145°〜150°E附近に達するものと予想される。
2 魚  体
 本年漁期中の漁獲物組成は,各種の調査結果および資源の動向などから,中型魚主体で小型魚もかなり混るものと見られる。
3 漁獲量
 本年の漁獲量は,魚群発見状況・海況などから総合的に判断すると,ほぼ昨年程度と予想される。

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