平成13年度報告




 

データベースの構築等に関する研究

平成12年度報告

 

 

永田豊・岩田静夫・鈴木亨・矢野雄幸・小熊幸子

 ()日本水路協会海洋情報研究センター)

 

 

 

 

 

目次

 

 

調査研究の目標および成果の概要

 

1.  目的                                                                                                    1

2.  平成12年度の研究実績・成果                                                              1

(1)品質管理とデータベース化

(2)メタデータの付加とメタデータ情報の収集管理

(3)歴史的未収録データの発掘・品質管理・付加

(4)品質管理手法の研究

3.  海外との協力、協議等の国際活動                                                          3

4.  研究成果の詳細内容

(1)三陸沿岸域への黒潮系水の侵入について          5

 (2)三陸沿岸域海峡の季節変化について                       19


調査研究の目標および成果の概要

 

1. 目的

本計画で取得され、収集されたデータについて、第I期で開発した品質管理手を適用して、データベースの質の向上を行うと共に、メタデータ情報を収集管理してデータに付加する。また、未収録の歴史的データの発掘・品質管理を行って、データベースに付加する。海洋学と統計学に照らし合わせた品質管理手法のアルゴリズムについて研究開発を引き続いて実施し、その成果を本計画の研究者に提供する。

 

2.平成12年度の研究実績・成果

1)品質管理とデータベース化

  本計画内で得られた新しいデータについては、JODCに送られ次第品質チェックを実行し、エラー情報を含むメタデータを付加して、JODCに送付した。

2)メタデータの付加とメタデータ情報の収集管理

 新規データへのメタデータ付加は、(1)に述べた通りであるが、これとは別個に本計画内で得られた化学データについては、MIRCの研究者を含めた国内外の関連研究者間でまとめられている有効かつ実行可能と考えられるメタデータの素案にしたがって、メタデータの付加と、インベントリー情報を中心としたオンライン提供体制をとる予定である。この体制は来年度(最終年度)中に確立する。なお、この開発研究に関連して、下記の会議に出席し、成果を発表するとともに、諸機関を訪問して情報収集・意見の交換をおこなった。

(イ)      カリフォルニア・ワシントンDC出張

北太平洋亜寒帯研究に先進的な役割を果たしているカリフォルニアの米国スクリップス研究所を訪問して、WOCEに関連した研究によって発展した最新の技術、メタデータを初めとする情報の収集を行った。これに併せてワシントンDC近郊にある米国国立海洋データセンターを訪問して、研究・解析手法の情報交換を行った。また、これは課題()に関連するが、データの頻度分布に表れる歪の太平洋・大西洋間の対比等の検討・意見交換を行った。

(ロ)      福岡出張

亜寒帯域においても海洋データの品質向上・品質管理手法開発は、国際プロジェクトWOCEを機に非常に発展してきている。この最新の情報を取得するため、10月に福岡で開かれたWOCE/CLIVAR Variability Workshopに参加して情報の収集を行った。なお、この会議に外国から3名の研究者を招聘した。

(ハ)      つくば出張A

 つくばで開催された海洋化学系データのインベントリー情報に関連して開かれたPICESシンポジウムに参加して、討議に参加するとともに研究成果の発表を行った。

(ニ)      つくば出張B

 つくばで開かれたSAGE合同分科会に出席し、研究発表を行った。また同時に開かれた幹事会にも出席して討議に参加した。

(ホ)      仙台出張

 東北大学理学部キャンパスで開催されたSAGE幹事会に出席し、今年度のSAGE研究の進め方について討議した。

(ヘ)      札幌

 北海道大学大学院環境研究科化学物質循環講座を訪問し、亜寒帯化学データの取扱いや、メタデータに含めるべき内容について討議した。

3)歴史的未収録データの発掘・品質管理・付加

 JODCに未収録の、水産庁遠洋水産研究所が保有している過去の亜寒帯海域の海洋観測データを入手し、整理して基本的な品質管理を施した上、JODCに送付した。大学関係の観測データの多くはJODCに収録されていないので、その実態の調査を実施した。その他のJODC未収録データの発掘とデータベース化も可能な限り実施してきている。また、最近の観測結果を可能な限りデータベースに加えるため、WOCE国際プロジェクトオフィスから関連資料を購入した。なお、この開発研究に関連して、以下のように青森県水産試験場を訪問して情報収集をおこなった。

()青森県水産試験場のデータについて、JODC未収録のデータを中心に情報を収集した。未整理のものもかなりあり、整理が終わり次第提供を受けるように、協力の約束を得た。

4)品質管理手法の研究

I期においては、特に複雑な三陸沖の混合域を対象として、高度の品質管理を実行するための種々の品質管理パラメーター設定を行った。今年度では、その際見出された水温・塩分の頻度分布に表れる歪についてその原因を追求した。これは、最近になって米国の国立海洋データセンターが、北大西洋の亜寒帯海域で同様の歪が表れることを報告していることから、それとの対比を行う必要が生じたからである。また、三陸沖においては、平均値よりも9倍の標準偏差を越す値が見出されるが、これは解析した25年間に2回表れた異常な黒潮北上と大暖水塊の異常沿岸接近によるもので、稀ではあるが現実に起こり得るものであることが示された(添付詳細資料を参照されたい)。このようなデータ上に現れる特異性については、品質管理上その原因を明確にしておくことが適切な手法を求めるのに不可欠である。当初予定した解析を日本周辺の各海域に拡大する作業は、この研究に時間をとったことと、北海道水産試験場・大学関連等の未収録データの収集作業が進行中であるので、次年度に延期した。統計的な手法等はすでにほぼ確立しているので、次年度(最終年度)において、日本近海および北西太平洋の亜寒帯海域について、これを完成させる目途は立っている。なお、この研究にも関連して、米国国立海洋データセンターを訪問したが、これは、(2)の課題において述べた。また別に、この開発研究に関連して、下記の会議に出席し、成果を発表した。

() 大槌出張

 大槌にある東京大学海洋研究所臨海研究センターで開かれた亜寒帯海域にかんするシンポジウムに出席して、情報収集を行うとともに、研究発表を行った。

 

3. 海外との協力、協議等の国際活動

米国やオーストラリア等のNODC (National Oceanographic Data Center:国立海洋データセンター)とメタデータの設計等に関連して協力・協議を行ってきている。特に、本年度は米国のNODCを訪問し、水温・塩分の生起頻度分布の歪について相互の研究結果を検討するとともに、種々の情報の交換を行った。また、1031日から119日にリスボンで開かれたIODE (International Oceanographic Data and Information Exchange:国際海洋データ情報交換システム(IOCIntergovernmental Oceanographic Commission、ユネスコ政府間海洋学委員会のプロジェクト)) の総会に出席した際、SAGE計画の中で北太平洋亜寒帯域に対して検討している品質管理手法を含めたMIRCの活動状況を紹介した。この他、このようなSAGEの成果を含めたMIRCの研究成果は、フィリッピン・ベトナム・インドのNODC訪問の際に紹介している。10月に函館で開かれたPICES (North Pacific Marine Science Organization:北太平洋海洋科学機構)の年次総会、その直前につくば市で開かれたPICES二酸化炭素シンポジウム等に出席し成果発表と情報交換を行ってきている。

 


 4.研究成果の詳細内容

 

(1)三陸沿岸海域への黒潮系水の侵入について

 

永田 豊・小熊 幸子・鈴木 亨(海洋情報研究センター)・渡辺 秀俊・山口 初代(三洋テクノマリン())・高杉 知(岩手県水産技術センター)

 

要旨:三陸沿岸に流入した津軽暖流水は、その高塩分性のため冬季表面冷却によって、北太平洋中層水に匹敵する重い水を造りだす。黒潮水はさらに高塩分であり、その侵入は海域特性に大きな影響を与えると考えられる。岩手県水産技術センターの最近25年間の観測資料をもとに、この海域での黒潮系水の侵入について調べた。

 

1.はじめに − 三陸沖の海況と冬季高密度水の生成

 

 三陸岸に沿って南下する津軽暖流は、一般に夏季から秋(7月〜11月)にかけて強く、通常は12月においても南下傾向が認められる。1月には明確な津軽暖流は認められないが、かなりの津軽暖流系水がこの海域に滞留している。しかし、2月頃には水塊の交代が行われて、三陸沖はほぼ親潮系の水に覆われることになり、水平的にコントラストの小さい状態となる。この状態は津軽暖流が再び現れる5月末頃まで持続する。

対馬暖流水に起源をもつ津軽暖流水は亜熱帯系の水であって、亜寒帯起源の親潮に比べて高温・高塩分であり、三陸沖の海況を決める1つの大きな要素である。津軽暖流水の終末に関する研究は非常に少ないが、この水は亜熱帯黒潮域に戻ることも無く、切離暖水塊を形成して東方に運ばれることも無いようで、三陸沖で消滅してしまう。永田豊ら(1993)は、岩手県水産技術センターの定期沿岸観測線(図1:黒点)の資料を用いた解析から、その消滅の1つの機構として、津軽暖流水がその高塩分性のため、冬季の表面冷却により北太平洋中層水に匹敵する高密度の水となって沈降する現象を指摘した。高密度水の出現の一例として、図219862月における100m層の水温・塩分・密度(σ)の水平分布を示す。高密度水の中心の測点(尾崎定線、岸から6番目の測点)では、10m・100m層でともにσ26.9を、300m層ではσ27.1を超す重い水が観測されており、このσの値は北太平洋中層水の典型的な値26.8よりも大きい。面白いのは、図2で水温・塩分の分布形状に顕著な差があり、南西向きに沖側から延びた低温の舌状部と、北西向きに延びた高塩分の舌状部の交点にあたる部分に高密度水の中心が存在していることである。このような形状は、顕著な水質変化が起こったことを示唆している。Hanawa and Mitsudera (1986)は、三陸沿岸域での水塊の分類をTSダイアグラム上で行っているが、その図の上に最高密度の水が見出された測点の各標準層の値をプロットすると図3(バツ印)のようになる。観測値は津軽暖流水のドメインの直下低温側に現れており、この水が津軽暖流水の冷却によって造られたことを強く示唆している。

 この海域での最高密度の水の出現は通常2月であるが、表層に一様な混合層ができるのは1月で通常2月には有意な成層構造が現れる。おそらく12月まで存在する津軽暖流によって運ばれた高塩分の水が冷却されて高密度水が1月に生成され、それが活発な表層の混合を引き起こすのであろう。気温が最低になるのは2月であるが、この時期には低塩分の親潮系水がひろがっており、冷却されても高密度水が生じ得ないのであろう。

亜熱帯域と異なり、亜寒帯域のような寒冷域においては、海水の密度を決定する要素は水温よりも塩分である場合が多い。表面冷却を通して暖かい海水が中層に沈降していく現象はオホーツク海の宗谷暖流においても観測される。三陸沖の海域は親潮・津軽暖流・黒潮系の水が境を接し、複雑に入り組み複雑な海況を呈している。黒潮系水のこの海域での動向は、続流域から切離される暖水塊を除いては、余り論じられていない。しかし、黒潮水は津軽暖流水よりもはるかに高温・高塩分であって、冬季の表面冷却や周辺水の混合による変質を受けて、三陸沿岸海況に大きな影響を与えていると考えられる。そこで、岩手県水産技術センターの最近25年間の観測資料をもとに、三陸沿岸域での黒潮水の出現現象について調べたので、報告する。

 

2.三陸沿岸域での水温・塩分値の出現頻度分布と、高温・高塩分水

 

1971年から1995年までの25年の期間に、岩手県水産技術センターで測られた全ての水温・塩分の観測値をプロットしたものが図4である(永田・鈴木, 2000Nagata et al, 2000、吉岡ら, 1999)。この解析資料には、沿岸観測定線だけでなく、夏季に黒埼および椿島沿岸定線をさらに沖側に延長した形で実施される沖合定線(図1+印の点)のデータも含めている。図4の水温・塩分値の分布形状は非常に歪んでおり、歪は水温値の分布に著しい。水温値の出現頻度分布では、低温側にシャープなカットオフが認められるとともに、高温側ではm+3σ(m:平均値、σ:標準偏差)の外側にまでデータ点が連続的につながっている。この水温の頻度分布の歪が最も著しい300m水深付近について水温値頻度分布を示したものが、図5である。この図で低温側にカットオフが生じる原因は、水温が結氷点より下がることがないためで、議論している三陸沿岸では結氷は起こらないので0℃が最低値になっていることによる。一方高温側にデータが延びているのは、稀ではあるが非常に高温の純粋な黒潮水の侵入があることを示していると考えられる。このことを確かめるため、図5で平均値よりm+7σ以上離れた高温水を図3TSダイヤグラム上に黒丸で示した。いずれも高塩分の性質を併せ備えており、Hanawa and Mitsudera (1987)の分類でも典型的な黒潮水であることが分かる。

 

3.典型的な黒潮水が三陸海岸域に侵入した時の海況

 

5で、m+7σ以上の水温が見出されたのは、25年間の解析期間で1972810月、19794月、1979710月、198211月、199411月の5事例を数えるに過ぎない。m+9σを超したのは、この中で複数月持続した2事例の、それぞれの最初の月、19728月、および19797月だけであった。このことは、純粋な黒潮水がこの海域に侵入してくるのは、かなり稀な現象であることを示している。

+9σを超える水が見つかった19728月、および19797月の観測時期の、海上保安庁水路部発行の海洋速報のコピーを図6に示す。19728月の場合には、黒潮続流の最も沿岸寄りの蛇行の振幅が異常に大きくなっており、黒潮の本流が海岸沿いに北上している。海洋速報では、三陸沿岸すぐ沖を南下する顕著な津軽暖流が示されており、39°Nで黒潮がすでに岸を離れ、沖合に去っているように描かれているが、実際には岸沿いにずっと北方まで流れており、三陸沖海域に直接流入していたと考えられる。これに対して19797月の事例では、黒潮続流から切離された大暖水塊が西進して三陸沿岸に接近した場合にあたっていた。他の19794月、198211月、199411月の事例は、後者の場合にあたり、これらの時期にも大暖水塊が三陸沿岸に接近していたことが、水路速報からも示すことができる。19728月のような、黒潮の異常北上、黒潮水の流入は、非常に稀な現象である様で、解析期間中にはこの一例しか認められていない。

19728月、および19797月の岩手県水産技術センターの各観測線での水温の東西断面図を、それぞれ図7および図8に示す。幸い、これらの時期には黒埼ライン、椿島ラインで、毎月の沿岸定線だけでなく、より沖側まで延びた沖合定線での観測が行われていた。これらの断面図から分かるように、黒潮系暖水は、4つの東西観測線の全てに認められる。また、暖水の構造は深く、少なくと数百mに達している。このことは、m+9σを超えるような、あまり変質を受けていない黒潮水が三陸沿岸域に侵入する現象は、黒潮の北上にせよ、大暖水塊の接近にせよ、かなり大規模であることが分かる。恐らく、通常の海況で、大規模現象に付随しなければ、黒潮水がこの海域にもたらされる前に、かなりの変質を受けることを示しているのであろう。なお、19728月の事例でも、144°40から50‘E付近に南下流を示唆する右上がりの温度勾配がみられ、暖水塊の断面を示したような形状をしているが、この南下流は海洋速報の示す海況からみて、より北で反転し南下する黒潮本流とみなすのが自然であろう。しかし、最も南の椿島ラインにm+9σを超えるような高温水が見られないこと、黒潮の二重構造(Nagata et al, 1986Shin et al, 1988 Shin et al, 1991)とみなせるにような構造が現れており、限られた資料からは明確な結論を出すのは難しい。

7、図8で、300m深の観測点でm+9σを超える水が見つかった測点を丸で囲って示してある。注意する必要があるのは、19728月の事例では黒埼・トドが埼ラインで沿岸定線の観測点でもこの高温度水が見つかっているが、19797月の事例では沖合定線の観測点においてのみ観測されていることである。以前の解析(永田ら、1993)においては、沿岸定線のデータのみを扱ったため、このような純粋な黒潮水の侵入に気付かなかったが、黒潮系水の侵入現象を調べるためには、現行の沿岸定線は短すぎるようである。

 

4.おわりに

 

以上、ほとんど変質を受けていない純粋な黒潮水の三陸沿岸域への侵入の現象を論じてきた。より一般的な変質した黒潮系水の侵入については、さらに検討を進めていく必要がある。別に小熊ら(2000)が、同じく岩手県水産技術センターの沿岸定線の観測資料を基にして、海況の季節変化を論じるが、その結果では、図7、図8が示唆するような、沖合側の測点で高温・高塩分の水が現れ易いという傾向は見られていない。僅かに、沿岸定線観測域の南東の端に、比較的高温・高塩分の水が現れる傾向がある。このことは大規模現象を伴わない黒潮系水の侵入は、海域の南東部で起き易いことを示しているのであろう。そのような場合の高温・高塩分水の構造も深く、数百mに達しているようであるが、200m以深ではかなり変質を受けており、その水系はHanawa and Mitudera (1987)の分類(図3)では、津軽暖流水のドメインに落ちる。この水は黒潮水と親潮水の混合によって生じたものであろう。図3からも分かるように黒潮系水と親潮系水が等密度面混合を起こすと、見かけ上、津軽暖流系の水と同じ性質を持つことになる。津軽暖流水がどれだけ南下しているか等、その終末域での特性を調べる場合等で、この海域で水塊分析を行う場合、このことを十分留意する必要がある。

三陸沖の極沿岸域において、津軽暖流水に比べてより高温の水が出現するのを、黒潮水の侵入として解釈し、漁獲との関連が論じられることが少なくない。今回の解析結果では沿岸域に変質をほとんど受けていない黒潮水が浸入してくる事例は見出せなかった。三陸極沿岸域に侵入してくるこのような高温水は、変質した黒潮水であろうと考えるが、ここで論じた時間スケール・空間スケールより小規模な黒潮系水の侵入を否定するものではない。

 

文献:

Hanawa, K., and H. Mitsudera (1987): Variation of water system distribution in the Sanriku coastal area. J. Oceanogr. Soc. Japan, 42, 435-446.

Nagata, Y., J. Yoshida, and H.-R. Shin (1986): Detailed structure of the Kuroshio Front and the origin of the water in warm core rings. Deep-Sea Res., 33,1509-1986.

永田豊・鍵本崇・轡田邦夫・高杉知・石田享一(1993):北太平洋中層水の起源としての高塩の津軽暖流水。月刊海洋、25128-134

永田豊・鈴木亨(2000): 海洋情報の活用と海洋情報研究センターの取組み。第15回海洋工学シンポジウム −豊かさを海に求めて−プロシーディング、325-332、2000。

Nagata, Y., T.Suzuki, S. Oguma, S. Iwata, H. Watanabe, and T. Yoshimura (2000):

Temperature and salinity distribution characteristics in seas around Japan, and statistical parameters used in a visual quality-control software. In Climate Change and Oceanographic Data Management, MIRC Science Report No. 6, 37-42.

小熊幸子・鈴木亨・永田豊・渡辺秀俊・山口初代・高杉知(2000):三陸沿岸域海況の季節変化について。月刊海洋(本誌)

吉岡典哉・小出孝・高芝利博・永田豊(1999):亜寒帯循環データベースの構築と管理。月刊海洋、31、748-754.

Shin, H.-R., Y. Nagata and J. Yoshida (1988): Detailed water mass analysis in the Kluroshio Front with special reference to its double structure. Dynamics of Atmospheres . Oceans, 12, 173-189.

Shin, H.-R., Y. Michida, and Y. Nagata (1991): The structure of the Kuroshio Front in the vicinity of separation point where the Kuroshio leaves the Japanese coast. J. Oceanogr. Soc. Japan, 47, 111-125.


 

図1: 岩手県水産技術センターの定期観測点:測線は北側からそれぞれ、黒埼ライン、トドが埼ライン、尾埼ライン、椿島ラインと呼ばれる。図で黒丸は沿岸定線、+印は沖合定線を示す。観測は1963年から実施されているが、沿岸定線では月1回の割合で、沖合定線では夏季に限り年23回程度の海洋観測が行われている。


 

 

 

 

2: 19862月における100m層の水温(上図:℃)、塩分(中図:単位なし)、密度(下図:σ)の平面分布図。北太平洋中風層水の代表的密度26.8を超える高密度水が見られる。(永田ら、1993

 

3: 三陸沿岸域でのTSダイアグラム上での水塊分類(Hanawa and Mitsudera, 1986):Kは黒潮水、Tは津軽暖流水、Oは親潮水、Cは沿岸親潮水、Sは表層水が通常分布する領域。バツ印のデータは、19862月に観測された高密度水の中心の測点での各観測層の水系、黒丸印のデータは300m層での水温値の頻度分布上(図5)で、平均値よりも標準偏差の7倍以上離れた大きな値を示した水の水系を示す。

 

4: 岩手県水産技術センターの定期観測線(図1)で1971年から1995年までの期間で測られた水温(左)と塩分(右)の分布。図の折線は米国NODCOcean Data Base 98編纂に際して赤道域を除いた北太平洋全域にデータの正常値の存在範囲、白三角および白丸は各標準層に対して計算されたm(平均値)およびm±3σ(σ:標準偏差)の値を示す。

 

図5: 300m水深における水温値の生起頻度分布。図下の三角印は標準偏差で目盛ったもので、平均値(m)を黒三角で、それから3倍の標準偏差(3σ)毎に影をつけた三角で示してある。 (永田・鈴木, 2000Nagata et al., 2000、吉岡ら, 1999)

 

6: m+9σ以上の高温水(図5)が見出された時の海況:上が1972年8月下旬、下が1979年7月上旬(会場保安庁水路部発行海洋速報)。

 

 

7: 1972818日〜23日の期間に取られた岩手県水産技術センターの各東西側線での水温断面図(℃):(KR:黒埼ライン、TD:トドが埼ライン、OZ:尾埼ライン、TS:椿島ライン)。図の上に観測点を三角で示すが、白三角が沿岸定線、黒三角が沖合定線である。図の中の黒点は、解析に用いられた測点を示す。300m深の測点の中で、丸で囲ったものは、そこでm+9σ以上の高温水(図5)が見出されたことを示す。

図8: 197976日〜10日の期間に取られた岩手県水産技術センターの各東西側線での水温断面図(℃)。後は図6に同じ。

 


(2)三陸沿岸域海況の季節変化について

 

小熊 幸子・鈴木 亨・永田 豊(海洋情報研究センター)・渡辺 秀俊・山口 初代(三洋テクノマリン())・高杉 知(岩手県水産技術センター)

 

要旨: 津軽暖流の強さに著しい季節変化があることは良く知られている。また、ここでは津軽海流系の暖水と、親潮系の冷水とが季節的に置き換わり、時には侵入する黒潮系水の影響も受けている。岩手県水産技術センターの1971年から199525年間の沿岸観測定線資料を用いて、この海域の海況の季節変化特性を論じる。

 

1.はじめに

 

 三陸沖沿岸域は、黒潮・親潮前線に挟まれる混合水域の西端にあたるが、岸沿いの津軽暖流の南下もあり、非常に複雑な海況を示す。津軽暖流は著しい季節変動を示し、噴火湾等の周辺海況に明確な季節変化が現れる(例えば、大谷、1981)。三陸沿岸域でも津軽暖流は夏季に強く、1〜4月にはほとんど認められない。2〜5月には、この海域は広く親潮系水に覆われる。永田ら(1993)は、冬季の表面冷却にともなって、三陸沿岸域でも噴火湾同様、北太平洋中層水に匹敵する高密度の水が生成することを指摘している。しかし、断片的な記述を除くと、三陸沿岸域の海況の季節変化について組織的に論じた論文はほとんどない。

 岩手県水産技術センターでは、1963年から三陸沿岸域で継続的な海洋観測を行っており、特に図1に示した沿岸定線については、原則として月1回の割りで頻繁な観測が行われている(冬季には、各観測線の最も沖側の測点での観測が省かれることが多い)。この論文では、1971年から199525年間の観測資料を用いて、この海域の海況の季節変化を調べる。観測は月をまたがって実施されることもあるが、表1のような期間分けを行えば、この最近のデータについては、年12回の期間にそれぞれ含ませることが出来。ここでは表1の、I〜XIIの期間を便宜上、112月と呼ぶことにする。なお、岩手水産技術センターの観測は、時には500m水深に及ぶ場合もあるが、通常は300m水深までであり、ここでの議論も300m以浅に限ることにする。

 

2.水型の季節変化

 

 25年間の資料を月別に分けて平均し、観測された水型を全てTSダイアグラム上にプロットしたのが、図2である。データは、標準層への内挿、密度逆転チェックを行う前の生の観測値を使用している。この図には、Hanawa and Mitsudera (1987)に従って、黒潮水(K)・津軽暖流水(T)・親潮(O)・沿岸親潮(C)・表層水(S)・より深層の水(D)のそれぞれの水型が通常存在する領域を示してある。Hanawa and Mitsudera (1987)は主として300mまでの観測値を用いてこの図を作成し、比較的表層の水を対象にしており、深層の水については細かい分類をしていない。例えば、7月のTSダイアグラムで、データ点が密に集まっている部分に注目して、左やや下向きにある楔状部分の下側エンベロープは通常の解釈では「親潮水塊」を指している(例えば、楊・永田、1990, Fujimura and Nagata、1992 参照)。楔状の先端部が塩分極小を指し、楔状上の部分で黒潮領域(K)の中まで直線上に延びる部分は、黒潮と親潮の混合水と解釈されるのが普通である。塩分34 psuあたりから、上ないし左上に分岐している部分が津軽暖流水の特性を示すものである。この分岐点から下の津軽暖流水領域(T)内の水については、Hanawa and Mitsudera (1987)も指摘しているが、黒潮と親潮の混合水であるのか、津軽暖流水であるのかを判定するのには特別の考察が必要とされよう。

 図2の1月から4月にかけては、観測された水型はほぼ右上がりの直線状に分布しており、特に2〜3月においては、水型の分散も小さい。この右上がりの直線は、この時期、O〜Tの領域で等密度線にほぼ平行しているため、密度の鉛直勾配は比較的小さい。後に述べるように水温・塩分の水平分布には若干の構造が現れるが、このことを反映して密度の水平分布は1〜4月にかけてのっぺりした形になる。このTSダイアグラムからだけでは沿岸親潮水とは断定できないが、2月から5月までの間、Cの領域に入る低温・低塩分の水が現れる。この期間、Tの領域に見られる水は、右上がりの直線付近に見られるだけで、データ点の上述の上方への分岐状況はほとんど見られない。この時期には一般に、顕著な津軽暖流水は現れず、この海域は主として親潮水に覆われることになる。

 5月に入ると、水型の分散が大きくなり、Tの領域でのデータも高温側に広がる傾向が見られ、津軽暖水の流入の影響が現れ始める。6月には明確な上方への分岐が見られるようになる。分岐部は左上方向に延びてデータの塊の密な部分の低塩分側の端は約33.0 psuであり、一方高塩分側の端、Kの領域にあるデータの塊との境界は明確でないものの、K領域との境目の34.0 psu 程度と見ることが出来る。この分岐した水型の固まりは、7、8、9月と上方高温度側に移動していく。これは、津軽海峡から流出してくる津軽暖流水の季節変化を反映するものであるが、三陸沿岸域に達するまでの周辺水との混合や、海面を通しての熱の出入りによる変質を受けていると考えられる。9月、10月の分布では、この水型の固まりは、下方の楔型の塊からほとんど分離した形となり、表層水の性質を持っていることは注目される。9月以降には低温化が起こり、12月になると、下方の楔型の塊と合体した形となる。この変化は、33.0〜34.0 psuの範囲(Tの領域だけでなく、Oの上方のS領域)で見られるから、表層津軽暖流系水の存在領域をHanawa and Mitsudera (1987)の分類に加えた方が良いかもしれない。楔型の塊に合体した分岐部の痕跡は、1〜2月の分布にも、T領域内での上方への突起のような形で残っており、3月では見られない。この海域で起こるとされている、2月の津軽暖水から親潮水への交代がこのような形であらわれているのであろう。津軽暖流系水の季節変化については、海峡からの流出水の季節変化と対応させながら、さらに詳細な検討を行うべきであろう。

 

3.水温・塩分の水平分布の季節変化

 

 この海域での水温の生起頻度分布が非常に歪んだ形になることは、永田ら(2000)が述べている。図3に各標準層別の頻度分布を示すが、この歪みは200300mの深度に顕著に表れている。季節別の図はここでは示さないが、季節変化が著しいの0100mの範囲で、どの季節でも、平均水温は変化するが、分布型は左右対称に近い形をしている。この平均水温の季節変化に対応して図2の分布の広がりが大きくなっているが、分布型は左右対称になっている。これに対し、200300mでの分布形は著しく歪んでいる。150mの分布は両者の中間の形状であり、この海域では150m付近を境に上層と下層で海況特性が違うことを示してい。図2の水型の分散図で、上方への分岐部分を構成しているのは、主として0100mの範囲で測られたデータによる。そこで、上層と下層の海況の特徴的な季節変化を見るために、100m層(図4)と200m(図5)の各月の水温・塩分の平均水平分布を見ることにする。0m、50mの分布では、多くの複雑な小規模現象が現れるのでここでは論じない。

 100m層(図4)の7〜10月の期間では、岸に沿った形で水温・塩分の等値線が南北の走っているのが認められる(沿岸側がより高温・高塩分)。これは津軽暖流の南下に伴うものであるが、その傾向は弱いながら5月から始まっており、塩分では明確ではないが水温の等値線では、12月まで持続していることが分かる。これに対して、200m層(図5)では、津軽暖流の南下流を示すような水温・塩分の分布は認められない。100m層の2月の分布図で、低温・低塩分の親潮系の水が、最南の椿島ラインを除いて、対象としている海域の東半分を覆っている。2月に起こるとされている津軽暖流水と親潮水との交代を示しているのであろう。この親潮水の浸入は、3月、4月と続き、4月では南東端と北西端を除くとほぼ全域を覆っている。津軽暖流が復活する5〜6月になると親潮水の南下傾向はほとんど認められないが、夏季から秋季の7〜10月には海域の中央部142°40’E付近を南下する親潮系水が認められる。しかし、このような構造は200m層ではほとんど認められない。200m層の構造は、一般に海域の南西または南に卓越する黒潮水と、北西または北に卓越する親潮水の間に、両者の混合水・遷移水がどのように分布しているかを示していると考えられる。

このように津軽暖流の構造、南下する親潮水(親潮第一分枝に対応)の構造は一般に浅く、200m層ではほとんど現れない。このことが、この海域での津軽暖や親潮第一分枝の動向を見るのに100m層の分布が主として論じられてきた理由であろう。

 

4.水型の季節変化

 

上述のように、津軽暖流水は各ラインの岸よりの3測点に主として現れる。岸よりの2測点は浅く、150m以上の水深まで観測されるのは岸から3番目の測点である。最も北の黒埼ライン3番目の点KR340°00N142°11E)と、最も南の椿島ライン3番目の測点TS338°56N141°57E)での水型の季節変化を50m層、100m層、150m層について示したのが図6である。KR3350mの値を除くと、両測点の全ての層で水型の季節変化はTの領域で起こっている。したがって、平均水型から見る限り沿岸よりの観測点は四季を通して津軽暖流系の水が存在することになる。面白いのは、南側のTS3での季節変化の振幅が水温塩分ともに、北側のKR3よりも一般に大きいことで、流下方向へのこのような変化は、海面からの加熱あるいは黒潮系水の影響を考えなければならない。この海域内部でも顕著な水塊変質が起こっていることを示すのであろう。TS3100m層で9月の平均水型がTとKの境目近くに位置しているが、月平均値でこのような高塩分値を示すのであるから、個々の観測値では明確な黒潮系水がしばしば観測されている筈である。

 比較のため、この両ラインの沖側の点KR640°00N142°50E)およびTS8(38°56N143°14E)での水型の季節変化を示したものが図7である。KR6において、2月〜6月の水型はOの領域にあり、親潮水の性質を持っていることが分かる。これは2月起こる津軽暖流水から親潮水への交代、5〜6月に起こる津軽暖流の復活に対応するものであろう。TS8では冬季(12月〜3月)の観測は行われていないが、45月の水型がO領域ではなくTの領域に見られる。この南側の測点で、北側の測点より早く津軽暖流水が現れることは考え難く、何らかの形で黒潮系水の影響を受けていると考えるべきであろう。これに対して、811月の夏から初冬にかけてのKR6の水型変化は、KR3の1年を通しての季節変化に似ているが、水温の最大値はKR3よりも低くなっている。100m層での11月にかなりの高塩分の値が見られるが、これは黒潮系水の侵入(永田ら、2000)のあった年が統計の中に含まれていたと考えられる。黒潮水の影響は南方のTS8においてさらに著しく、季節変化は非常に複雑になっている。特に、50m層および100m層での8月に見られる高塩分水は、黒潮の影響と解釈するのが妥当であろう。

このような特異な統計値の解釈については、個々の事例に戻って検討する必要がある。その一例として、19808月の観測結果を見ておこう。この時には、図8の左図に見られるように、岸沿いに顕著な津軽暖流が認められ、海域の南東部には明確な黒潮水が存在している。また、海域の北東部には、これも顕著な親潮水の浸入が見られる。この3つの特徴的なそれぞれの水塊の中にある観測点、TD339°32N142°19E)、TS8(38°56N、 143°14E)、TD7(39°32N143°11E)における水型の鉛直分布をTSダイアグラムの上に示したのが図8右である。表層水は種々短期的な変質を受けているので、50m以深に注目しよう。TD3では表層を除いて、Tの領域に入っており、典型的な津軽暖流水の性質を持っている。50100mの変化は、図2での楔型から上方への分岐部に沿っており、100150mの変化は楔部の上側の軸に沿っていると見なせる。

黒潮水塊の中で取られたTS8では、50m〜150mの水型はKの領域にあるが、深さとともにTの領域に近づいていき、200300mではTの領域にある。しかし、Tの領域であってもこの水は津軽暖流水と見なすことは不自然で、黒潮水と親潮水の混合によってこのような性質を得たのであろう。永田ら(2000)はほとんど変質を受けていない黒潮水の侵入現象について調べ、純粋な黒潮水の浸入は大暖水塊の沿岸接近のような大規模現象に伴って起こり、構造も深いことを指摘している。ここで見ているのは、考慮している海域の南東端で起こりやすい、それほど大規模でない黒潮系水の侵入現象であるが、この場合もかなり深い構造を有していると言える。ただし、その深い部分は親潮水との混合によるかなりの変質を受けている様である。

親潮系水の中にあったTD7で取られた水型は、50150mではO領域に、それ以深ではDの領域にある。この三陸沿岸域での中層水、塩分極小層の深さは浅く、150m付近に現れている。広域を扱った楊・永田(1990)の解析では、50150mの部分に対応する水を黒潮・親潮の混合水として扱っており、150300mの部分については、親潮水と扱っている。

8は夏季の特徴的な3つの水塊の性質を示したものであるが、先に議論してきた月平均場の特性と良く整合している。今後はさらに季節変化や、親潮水の侵入、黒潮水の影響等の特徴的な現象について、ケーススタディを続けていきたいと考えている。

 

引用文献

Fujimura, M., and Y. Nagata (1992): Mixing process in the Mixed Water and Kuroshio Extension Regions and modification of the Intermediate Kuroshio Water. Oceanogr. Mag., 42, 1-20.

Hanawa, K., and H. Mitsudera (1987): Variation of water system distribution in the Sanriku coastal area. J. Oceanogr. Soc. Japan, 42, 435-446.

永田豊・鍵本崇・轡田邦夫・高杉知・石田享一(1993):北太平洋中層水の起源としての高塩の津軽暖流水。月刊海洋、25128-134

永田豊・小熊幸子・鈴木亨・渡辺秀俊・山口初代・高杉知(2000):三陸沿岸海域への黒潮系水の侵入について。月刊海洋、(本誌)

大谷清隆(1981):噴火湾の物理環境。沿岸海洋研究ノート、1968-80

楊城基・永田豊(1990):日本近海における中層水の分布特性。海と空、66、1-13。

 

 


 

 

 

 

 

Sub-

dates

period

 

 

 

I

1/1

1/26

II

1/27

2/23

III

2/24

3/23

IV

3/24

4/23

V

4/24

5/27

VI

5/28

6/23

VII

6/24

7/21

VIII

7/22

8/25

IX

8/26

9/26

X

9/27

10/26

XI

10/27

11/28

XII

11/29

12/31

 

1: 岩手県水産技術センターの観測実施期間は、暦上の月に必ずしも対応せず、月をまたがって実施されることも少なくない。しかし、この表のように12の期間を設定すれば、年12回の観測を、12の期間に含ませることが出来る。ここでは、ここで示したIXIIの期間をそれぞれ便宜上112月と呼ぶ。

 

 

図1: 岩手県水産技術センターの定期沿岸観測点:側線は北から黒埼ライン、トドが埼ライン、尾埼ライン、椿島ラインと呼ばれる。これらの測点で、1963年から月1回の割合で海洋観測が実施されているが、冬季には各ラインの最も沖合の測点での観測は行われないことが多い。論文中で特に議論される6つの観測点の位置も示してある。

 


 

2: 各月に観測された水型の分散特性。IXIIは表1の定義による、112月を示す。図中での領域分けは、Hanawa and Mitsudera1987)による水塊分類で、Kは黒潮水、Tは津軽暖流水、Oは親潮水、Cは沿岸親潮水、Sは表層水が、それぞれ通常分布する領域を示す。


3: 三陸沿岸域での標準層別水温生起頻度分布。図の横軸下に、黒三角で平均値、白三角で(平均値±3倍の標準偏差)の値を示す。各図の中に標準層深度が示されている。

 


4: 三陸沿岸域100m層の水温(点線:℃)と塩分(実線:psu)の水平分布、1971年から199525年間の月平均値を示す。各図左肩のローマ数字は、表1で定義した月を示す。水塊の区分については図2を参照されたい


 

5: 三陸沿岸域200m層であることを除くと、図4と同じ。


 

6: 津軽暖流域の中に通常含まれる観測点、黒埼ラインKR340°00N142°11E:左図)および椿島ラインTS338°56N141°57E:右図)における水型の季節変化:50m層(上図)、100m層(中図)、150m層(下図)。図中の数字は表1で定義した月を示す。これらの観測点位置については図1を参照されたい。

 

 

7: 沖合の観測点、黒埼ラインKR640°00N142°50E:左図)および椿島ラインTS838°56N、 143°14E:右図)における水型の季節変化:上から50m層、100m層、150m層、200m層。図中の数字は表1で定義した月を示す。これらの観測点位置については図1を参照されたい。

 

8: 19808月の100m層での水温(点線:℃)・塩(実線:psu)の水平分布(左図)。この図には岸沿いに顕著な津軽暖流、海域の南東部には明確な黒潮水、海域の北東部に明確な親潮水の存在が見られる。 そのそれぞれの水塊の中にある3つの測点、TD339°32N142°19E)、TS8(38°56N、 143°14E)、TD7(39°32N143°11E)における水型の鉛直分布をTSダイアグラムの上に示したのが右図である。これらの測点の位置は、左図に示してある。