平成9年度第2回「モデル化及びデータ管理」分科会

         議事録

  
                                        
<日時・場所>
 日時:平成10年3月9日 14:00より17:30まで
 場所:水路部6階会議室
<出席者>(順不同)
遠藤 昌宏(主査)(気象研)、石崎 廣(気象研)、須賀 利雄(東北大学)、
杉ノ原 伸夫(東京大学)、滝沢 隆俊(海洋科学技術センター)、
永田 豊(日本水路協会海洋情報研究センター)、深沢 理郎(東海大学)、
 水野 恵介(遠洋水研)、安田 一郎(東京大学)、吉田 隆(気象庁)、
 矢吹 哲一郎(科技庁)、小出 孝(気象庁)、寄高 博行(水路部)、
 高芝 利博(JODC)
(オブザーバー)
 山中 、安田(気象研)
(事務局)
長井 俊夫(海洋情報課長)、道田 豊 (海洋情報課補佐官)、
高芝(委員兼務)、芝田、三宅、余座、中村
<討議内容>
遠藤;今回科学技術庁の矢吹さんがおいでですが、矢吹さんのほうから何かありますか。
矢吹;予算のほうはまだ決まっていないが、だいたい昨年度比数%増になると思う。案の
    ほうは決まりましたので紹介したいと思う。これまで気候変動の研究に関する予算は 
    別々に出ていが、これらを一本化しようとする動きがあって、厳しい状況になってき
    ているので、そのへんのご相談をお願いするかもしれません。
    また、科技庁では新しい研究所(フロンティア)で研究を始めたが科技庁の他のプ
    ロジェクトとも似ているので、それらの仕分けについてもご相談するかもしれません
    がよろしくお願いします。
高芝;資料の確認をします。事前に委員の方には前回の議事録をお渡ししていますが、そ
    れについて何かありましたらお願いします。 
遠藤;平成9年度の実績・成果と10年度計画ですが、本年度と来年度で分けて話を進め
    ていきましょう。まず資料5に沿って、次に資料2,3というふうに一人15分を目
    安にお願いします。なお、ここでの話を来週の推進委員会で報告することになってい
    るのでよろしくお願いします。
資料5について
  各研究課題について担当者から説明が行われた。
(JODC担当課題に対して)
遠藤;前半は具体的にどのようなことをやったのか。
高芝;前半はデータが十分にそろわないので、プログラムやシステムの構築についての検
    討を行った。
遠藤;亜寒帯循環に対応した能率的なフォーマットとは何か。機能としてはどのようなも
    のを考えたのか、例えばこれまでのものに炭酸ガスに関するフォーマットを加えると
    か。
三宅;現在JODCではデータフォーマットを見直しており、その一環として亜寒帯プロ
    ジェクトで取得されるデータに対応できるように各層データを拡張し、かつメタデー
    タの管理が行えるようなフォーマットを構築中。
高芝;データについてはホームページで提供できるようにしようと思う。来年度も本プロ
    ジェクトの分科会を開催し、またWOCE/DPC、PICESにも出席してプロジ
    ェクトへ反映させていきたいと思う。
遠藤;WOCE、PICESの管理データを本プロジェクトに反映させるとはどういうこ
    とか。
道田;私はWOCE/DPCの委員でもあるので、そのあたりの情報を本プロジェクトの
    ホームページに載せたい。
深沢;具体的にはどのように進めていくのか。
道田;各機関にWOCE/DPCのデータ管理の動きを伝えるなどして、連携をとりなが
    ら進めたいと思う。  
深沢;そういったことはホームページで一つ一つ検索していかなければわからない。そう
    していただけると非常にありがたいので是非お願いしたい。
(MIRC担当課題に対して)
遠藤;メタデータの管理システムでJODCとMIRCの関係はどうなっているのか。
永田;クオリティコントロールについてはミスタイプをチェックするだけでミスは20分
    の1になるので、現場でチェックしやすい野帳があった方がよい。MIRCでは現在
    県水試の野帳を集め、それを基にした理想的なメタデータのあり方を研究中である。 
      JODCでは最低限のメタデータを管理し、データに反映させる。  
三宅;これまで各データ項目について書き込めるシステムがなかったので、そういったシ
    ステムを作りたいと思う。 
永田;メタデータは提供してもらえるかどうかが一番やっかいである。
三宅;流れとしてはメタデータをMIRCが処理し、JODCがその管理を行うことにな
    る。
永田;実際にデータが集まるまでは水試のデータをファイルしておこうと思う。データが
    集まらなくても方法が確定したらJODCにお知らせする。
遠藤;MIRCで基準となる野帳のサンプルを各委員に配布してください。
(気象研担当課題に対して)
深沢;現在、NEDOのプロジェクトで、インバース法のプログラムを作成中。作成した 
    らオープンにして配布できる。5月以降様子を聞いて下さい。
その他(討議事項)
資料2について(データリスト)
吉田;事務局のほうからデータをだしていただければ、私どものホームページには簡単に
    載せることはできる。
遠藤 ;データリストをホームページに載せてもらえれば計画を立てる際にも役立つと思う。
吉田;データリストは、推進委員会で、だれが何をやっているかとか、もうすこし詳くし
    知りたいという意見がでたので作ってみた。本ホームページでは全データを公開する
    方向でいきたい。
遠藤;ホームページは誰もが見られるものにするのか。
吉田;公開を制限するのであれば、気象庁の本体からリンクを張ってとばすこと、リンク
    を張らずにメンバーのみにアドレスを知らせて一般から見えなくすること、パスワー 
    ドで保護することなどがあるが、管理が複雑になるので私は基本的には誰にでも見せ
    てかまわないと思う。また、何をやっているのかと聞かれた場合、ホームページを見  
    てくださいというのが一番簡単だと思う。
遠藤;担当者の判断に任せるべきだ。
永田;データによって、そのデータが関係している各機関へリンクを張るなどしたらいい 
    のではないか。
吉田;ただその場合、外向けのサーバを持っていない機関もありますから、そのへんも考
    えなくてはならない。
遠藤;私としては、簡単な紹介程度でそういう具体的なデータバンクを載せる必要はない 
    と思う。データが集まったら簡単な表などを、参照ページを作って載せてみてはどう
    でしょう。平成9年度成果及び10年度の計画をホームページに載せたい。
道田;JODCに原稿を送ってもらって登録し、リンクを気象庁のホームページと張りた 
    い。原稿の要領は事務局より後で指示する。
遠藤;東北水研の伊藤さんのSAGEのホームページは充実しているのでリンクをはった 
    らいいと思う。
矢吹;各プロジェクトの成果として、ホームページの中へ科技庁へのリンクをお願いした 
     い。
道田;CSRの提出が確実に行われるようにお願いしたい。
三宅;ホームページ上でCSRの登録をできるシステムを考えている。従来のような紙の
    リストのような煩雑な登録方法をやめ、ユーザーインターフェイスのいいものを考え
    ている。また提出されたCSRは気象庁のホームページへも転送し、CSRの提出が
    二度手間にならないようにしたい。
遠藤;それは是非お願いしたい。
資料3について(データポリシー)
遠藤;今回結論を出す必要はないと思うが、何かありましたらお願いします。
高芝;データの提出について、観測終了後1年、ADCP、XBT等早急にデータの流通 
    がはかれるものについては6ヶ月をめどにお願いしている。 CSRについては航海
    後2週間をめどに出してもらい、観測終了後2年までにはデータを一般公開できるよ
    うにしている。
遠藤;期限が遅れた場合、罰則等の規定はあるのか。
永田;あくまでも努力目標であり、罰則等は一切ない。
水野;プランクトンデータはどの程度のレベルまでとすればよいか。
道田;JODCでは種のレベルまで取り扱える。
遠藤;なにをもって観測終了とするのか。
道田;一般に航海終了後である。ただし係留系等は揚収後となり観測項目によっても変わ 
    る。観測が終了して時間が経ってしまうとわからなくなってしまうので、我々が参加 
    している研究についてはこのような期限を決めさせてもらった。
遠藤;普通、データの処理にはどのくらいの時間が必要でしょうか。この1年間という期 
    間は妥当か。
道田;1年は短いと思う。
水野;観測にデータ整理が追いつかず、データがだんだん溜まっていくというのが現状で
    ある。
永田;データは生産者に努力して提出してもらうしかない。今は1年としているからデー
    タが来るようなもので、これを5年とかしたらよけい来なくなるだけでしょう。1年
   以内という目標が妥当だと思う。
道田;年1回溜まったデータを点検するという意味でこれでいいのでは。CSRは、でき
    れば2週間以内に極力出すようにしてほしいです。さらにそれに亜寒帯とでも書いて
    出してもらえればやりやすい。
安田;CTDのデータ密度はどのようになっているのか。
道田;WOCEなどでは1decibarとか。
水野;RAW DATAということか。
深沢;キャリブレーションしないまま出してもよいのか。
道田;SAGEのホームページ上のデータはキャリブレーション前のデータも載せるが、
   J−DOSSで一般に公開するときはキャリブレーションをやったものを載せればい
   い。
深沢;キャリブレーションできないデータもあるが、フラグをつけるべきか。
永田;メタデータでキャリブレーションが可能か等の情報を載せるべきだ。
深沢;メタデータがあまり細かくなると、現場が対応できなくなる。2年でクオリティコ
    ントロールを終えて公開したとして、元データは保護する必要があると思う。かわり
    に断面図等のプロダクトを早めに公開したらよいと思う。
遠藤;継続して検討したいと思う。なかなかデータを出したがらない人もいるようですが、
   そのへんはみなさんでよく考えてほしい。
(CD−ROMの著作権について)
吉田;作成したCD−ROMについて気象庁では責任を明記することから著作権表示を行
    った。来年度以降についてはいかが? 
道田;JODCではデータは公開であり、コピーフリーだから著作権の表示は行わない。
      JODCデータを使った場合も、それを書いてくれれば別に問題ない。
遠藤;この件は次回のワーキンググループで継続して検討したい。
(二酸化炭素ベースについて)
    小出氏より、世界気象機関(WMO)が実施している全球大気監視(GAW)計画
  及びその中の温室効果ガス監視ネットワークについての紹介があった。
小出;GAW計画で測定された観測データは気象庁にあるWMO温室効果ガス世界資料セ
    ンター(WDCGG)に集められ、CD−ROM等の媒体により非営利目的のユーザ
    ーに配布されている。データとしては研究観測で得られたデータも含まれる。船によ
   る観測データや航空機による観測データもこのCD−ROMに収録されている。      
     本研究計画の観測データについてはメタデータも含めデータベース化し、インタネ
   ット上で利用出来るシステムを構築したい。
道田;JODCはJGOFSのDMOとして海洋部門の化学データ、プランクトンデータ、
   炭酸ガスデータ等の国際的な管理を委託されている。気象庁の海洋部門のデータをも 
   えるか。
小出;( WMO−WDCGGの立場として、非営利目的のユーザーに配布するということ
    が保証されさえすれば )問題ないと考える。
道田;JODCが管理しているデータについても公開可能である。