平成12年度第2回亜寒帯循環「二酸化炭素の挙動」分科会



平成131月25日

中央水研4階会議室(横浜市)

1100分―1400
佐々木、服部、秋山、井本、齋藤、津田、古川

議事進行・記録:津田

 


議題

1.はじめに(津田)

2期では評価委員のコメントにもあったように、観測だけでなく取り纏めを、また課題間の連携を重点的に推進する。


2.今年度の成果

1)気象庁(神谷、資料提出のみ)

他機関の二酸化炭素分圧データの取得も行いデータに厚味を増して解析を行う。

データベース利用を図るためDVDCD-ROM化を図る。

2)水路部(井本)

平成1210月に三陸沖で航海を行い。二酸化炭素分圧データを得た。広範囲の水平分布を得られた。大気二酸化炭素は機器不調のため測定できなかった。

来年度の航海も海面高度計の衛星観測ラインにあわせた三陸から道東沖。105-29日までの予定。

水温範囲は15度付近に水温−pCO2関係の変曲点がある(佐々木)16-24

CTD3000mまでで、SAGE内で流通できる。第2分科会からのコンタクトはない。

3)東海大(秋山)交換係数

二酸化炭素分圧モデルの改良を行った。モデルにMLDを風速から見積もるようにした。それでも夏場がモデルと実測がずれる。生物活動と下層からのフラックスの問題か?

分圧の見積もりの試み:TCO2はあっている(大体)TCO2からPCO2の変換に問題があるのではないか?アルカリニティか?

冬場の生物活性が低い時期のStnPの連続データとモデルの検証で交換係数のバリデーションは、このモデルでできたと考えられる。誤差が見積もれる。

ワニンコフのモデルとの比較もやって欲しい(津田):簡単!

タイムラグや計算ステップの問題は?(服部)、いろいろやってみたがあまり効果がない。

来年度、モデルの精度検証

来年度はSAGE観測域のフラックスマッピングを気象庁・水路部・水産庁で得た分圧データを用い計算する。

4)三陸沖(佐々木)

当密度面のDOとポテンシャル水温の関係がスムーズでなく、大西洋のように起源水が単一ではなく、複数の起源を持つことが示唆された。

表面の季節変化だけでもなるべく早く出して欲しい。(津田)

5)北水研(齋藤)

6航海で珪藻・円石藻の動態、BioSを測定

セディメントトラップは12年度回収分は試料が詰まり正常に採集されなかった。

珪藻の生理に関する実験(栄養塩の取り込み、珪素含量の変化)

落ちる過程を想定した実験(春の終わりに焦点)

光の不足と栄養塩の不足を想定。結果は生態系モデルに取り込める形で提供。

函館海洋気象台との共同でTCO2のデータも分析を開始した。

鉛直一次元生態系モデル(山中モデル)に秋山モデルを組み込む算段をしている。山中モデルでは一定のガス交換係数をしている。

6)円石藻類(服部)

Aライン上の円石藻の分布を得た。試料は見終わったが、現在解析中。

パルマは円石藻より分布が深い。セルサイズが小さい(1-2μ)ので物質循環における効果は小さいと考えられるが、円石藻との対比では面白く現在までに記載のないと考えられる細胞が幾つか見つかっている。

前期の成果では円石藻の二酸化炭素循環における効果は太平洋の西側では無視できると考えていたが、鉛直的・季節的変化を見ると、結構円石藻も夏場には考慮する必要がある生物であろう。

40細胞・mlはアルカリニティに効果があるか?服部・小埜で考える。

混合層直下での増殖でも表面二酸化炭素の挙動に影響あるか?あると考えられる(秋山)


3
.その他

来年の個別分科会は釧路開催、時期は?

海洋学会のまえ2週間は秋山が多忙。

合同分科会の前に個別分科会を行う。910月の間で日程調整を図る。

 

4.科学技術庁 古河 挨拶

予算は合同分科会で内示したとおりくらい。省庁再編ともなって、予算関係の処理がスローになっているので、年度当初の予算の執行に注意するように。こWG3は秋山課題を中心にまとまりを見せているので、今後、分科会の成果が他の分科会の成果と結びついて、水と物質の循環を明らかにできればSAGEの大きな成果と考えられる。

 

以上