科学技術振興調整費「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」
WG2(平成13年度第1回)議事録
日時:平成13年10月18日(木)13:00-18:00
場所:気象庁7階 気候・海洋気象部会議室
出席者:安田(東大/主査)、石川(気象庁)、石崎(気象研)、伊藤(東北水研)、植原(遠洋水研)、岩尾(気象研)、遠藤(気象研)、根田(京大)、淡路(京大)、中村(京大)、川崎(中央水研)、川崎(北水研)、河野(北海道東海大)、廣江(中央水研)、渡邊(東北水研)、松本(文科省/オブザーバ)、深沢(JAMSTEC)
議事
T 主査挨拶
SAGEも最終年度となっており、各委員におかれては今までの結果をまとめるような発表を期待したい。また、今後推進委員会(10月29日)、合同分科会(11月26−28日、つくば)等会合が立て続けに予定されている。これらへの対応、および成果の取りまとめについても協議したい。
U 各委員自己紹介
V 課題別報告
西部亜寒帯循環・オホーツク太平洋海水交換
・ウルップ水道の係留流速(中層300m密度26.8)1密度26.6-27南水道で約1Sv流入、北水道で1/3Sv流出、冬春にオホーツク水の出現多、北大詳細観測あり。
・ウルップ水道付近での潮汐非静水圧3次元モデルにより、潮汐による強い混合・表中層で低渦位水・潮汐フロントが形成、傾圧不安定渦による沖への輸送過程を再現。これらの結果を0GCMに組み込む。
親潮流量の評価(基準黒潮・親潮プロファイルの統一)
・Aライン:観測係留続行中、基準面仮定の地衡流算出、合同部会までに絶対流量算出
・0ICE:観測係留続行中、基準面仮定の地衡流算出、合同部会までに絶対流量算出
・2000秋・2001番のLADCP基準地衡流算出、合同分科会までにインバース
・気象庁定線での2000db基準地衡流算出、親潮6-10Sv黒潮8-11Svの東向流、続流付近で特に大きい
中層フロート
・計6台の26.7を追跡する密度面フロートを投入。概ね良好に等密度面を漂流、流速ADCP・LADCPと概ね一致。
・1期から投入した計21台から中層26.7での平均流速マップを作成、150-170Eに続流・亜寒帯境界・亜寒帯前線に分岐した強流帯を同定
春季集中観測
・MVP/CTD/ADCP/LADCP/中層フロートを用いた集中観測を5-6月に実施。北海道沖で約7Svの親潮南下、黒潮続流まで達し、顕著な前線形成。蛇行の第1の峠付近で強い混合があり、急速な塩分極小形成。水塊変質に等密度面混合・キャベリングが寄与、また、キャベリングによる数Svの下降流を示唆。合同部会までに渦度解析。
・北海道沖親潮渦に投入した等密度面フロートは8月まで津軽東方に停滞、その後南下して黒潮続流に入る。
気象研高解像度モデル
・風応力場をNCEPに変更したところ親潮の南下に改善が見られ、観測に近い塩分分布パターンとなった。塩分極小の塩分は0.2程度高め。合同部会までに観測流量分布と比較、今後等密度面拡散・オホーツクフォーシングの強化実験を計画。
亜寒帯気候値インバース
・等密度面を横切る輸送を考慮し、βスパイラル(スベルドラップバランス)、流量保存を仮定し、HydroBaseを用いたインバージョンにより酸素分布と整合した流速分布を求めた。NPIWのうち2Svが亜寒帯へ、亜寒帯で密度26.7(27.2)を横切り1.8Sv(0.7)上昇流を示唆。
W とりまとめについて
・JO特集号
・合同分科会については、形式は推進委員会で決定する見込みだが、前回同様一人15分程度発表を行い、各主査が進捗をまとめ全体協議した後各分科会で話し合いというかたちになると思われる。
・最終報告書は、平成14年中に出してもらう。通例秋くらいになるが、遅れる可能性がある。