科学技術振興調整費「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」

WG1(平成12年度第3回)議事録

 


日時:平成13226日(月)14:00-18:30

場所:海上保安庁水路部7階小会議室

出席者:道田(海洋研/主査)、吉田(気象庁)、鈴木(MIRC)、深澤(JAMSTEC)、稲掛(遠水研)、須賀(東北大)、渡辺(資環研)、羽角(CCSR)、倉賀野(気象研)、淡路(京都大)、渡邊(東北水研)、遠藤(JAMSTEC)、古川(文科省)、植原(遠水研)、寄高(水路部)


 

主な議事:平成12年度研究成果、平成13年度研究予定

 

(冒頭)

道田:来年度もつくばで合同分科会を予定している。112628日。その他JOの特集号、2002年春に国内シンポジウム、2003年までに国際シンポジウムなどを企画している。

 

1-1      表層水温変動(吉田/気象庁)

吉田:水温変動と極渦指数・循環指数などの大気変動との関連を調べている。

道田:何か関連はありそうか?

吉田:極渦指数で19751976年にかけて大きなシグナルがある。

深澤:海面高の変動スケールで最適内挿した場合と単純平均の違いが見たい。

吉田:大きな違いは出ないと思う。

道田:1990年代に亜寒帯と亜熱帯の位相が逆になるのは何故?

須賀:1970年代半ばのレジュームシフトと1980年代終わりのレジュームシフトは性質が異なるという報告がある。

渡邊:19971998年はどう変わったのか?

吉田:まだ何とも言えない。

 

1-2-1      漂流ブイ(寄高/水路部)

寄高:米国からデータをもらって、南側、東側はほぼ埋まった。衛星海面高による地衡流と比較中。

道田:データ分布図を見たい。

遠藤:経年変動は調べられるか?

寄高:データに粗密があり難しい。

 

1-2-2      ADCP(鈴木/MIRC)、吹送流(道田/海洋研)

道田:ERS-1の風から吹送流を見積もっている。漂流ブイで見えた11月のピークと2月のピークは成因が異なるようだ。

遠藤:吹送流はともかくそれ以外は何故強まる?

道田:循環が強化されているとも思うがまだわからない。

深澤:11月のピークは毎年あるのか?

寄高:不明。

鈴木:保安庁とWOCEADCPを集めて整理した。

深澤:今後の方向は?

鈴木:三陸沖については季節変動を、うまくいけば経年変動まで描写する。

 

1-3-1      中深層水塊(深澤/JAMSTEC

深澤:500m〜底上1000m1999年−1985年の水温・塩分変化は、ローカルな風のカールの変化で説明できる。底層の昇温は鉛直混合の変化かソースの変化かわからない。溶存酸素は低下している。

道田:中冷水の変動も見えたのか?

深澤:1985年にアラスカ湾にはなかったが、1999年にはあった。

 

1-3-2 表層・亜表層水塊(渡邊/水研)

渡邊:中冷水の分布やアラスカンストリームの西端の変動などいろいろやってる。

吉田:中冷水の深さは?

渡邊:50100m

遠藤:中冷水で気候変動のシグナルは見えないか? オーバーターンに寄与しているか? 生成から消滅までのサイクルと時間スケールを知りたい。

 

1-3-2表層・亜表層水塊(須賀/東北大)

須賀:データを付け加えて作成し直し、気象庁のCD-ROMに入れてもらった。

渡辺:混合層の定義は?

須賀:海面直下層の密度+0.1シグマまで。

 

1-4化学トレーサー(渡辺/資環研)

渡辺:混合層の直下で1999年−1985年でAOUCFCも増えており、パターンも似てる。

遠藤:風のカールと比較して欲しい。

 

1-4診断モデル(羽角/CCSR

羽角:三陸沖の水温・塩分を同化したら、上層の黒潮離岸はうまくいったが、中層の離岸が不自然。順圧成分の再現が良くない。海面高の同化を考えている。

道田:フロンの分布はどうやる?

羽角:海面で現実どおり与えて、循環は気候値。

 

1-5同化モデル(倉賀野/気象研、淡路/京都大)

倉賀野:同化をはじめた。中冷水など再現できている。

遠藤:流れが見たい。

淡路:混合層モデルと鉛直スキームを改良した。

 

(その他)

道田:JOの特集号に向けて論文化できるように進めて欲しい。WG1で最低5〜6本と思っている。

深澤:2002年秋に原稿集めをして、2003年秋に出版と思っている。

古川:プレスレクを考えて欲しい。イベントにあわせるか成果をまとめるか。できれば両方。東北水研の伊藤氏が推進委員会に向けて国際協力の状況をとりまとめているので協力して欲しい。

 

(以上)