科学技術振興調整費

「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」

平成11年度第3回亜寒帯観測研究分科会 議事録


 

日時 平成12年2月21日 13:30〜16:15

場所 気象庁気候・海洋気象部会議室

出席者 深澤(主査)、渡邊、寄高、四竈、倉賀野、渡辺、安藤(以上委員)

杉本、吉岡(事務局)

古川、岩尾(オブザーバ)

(欠席:中村委員)

 

1. 主査挨拶

すでにご存知のとおり、中間評価の結果第U期への移行が決定した。本日は昨年9月の第2回分

科会以降の進捗状況とともに第T期を通じて得られた成果と、第U期への展望を話してもらいた

い。

 

2. 第T期の成果について

3. 第U期の課題について

 

安藤(気象庁): NOAAとの共同観測の経緯と現状、「開洋丸」「みらい」の航海にもXBTプロ

ーブを提供した旨説明。第U期も観測を継続する。

杉本(気象庁):特に冬季に着目した解析結果について説明。冬季鉛直混合による海面から表層水

温への影響、混合の深さと10年スケールの表層水温の低温期間との対応関係を指摘。第U期では

倉賀野さんの1960年代からの水温の再解析、ECMWFやNCEPの大気の再解析データも使う予

定。

深澤(東海大学:主査):NCEPのデータは80年代以降では、風の場のレジムシフトのシグナル

も出ているようだ。ダウンロードはできるがフォーマットがGRIBのためデコードが大変。

杉本:気象庁気候情報課がデコードしたものを使う予定。

深澤:(移流があるのに)亜寒帯中部での相関が1年間ある理由がよくわからない。亜寒帯全域で

混合が起きているとか、何か別のメカニズムが働いているのかもしれない。

 

寄高(海上保安庁):昨年9月に「みらい」で投入した漂流ブイも加えて解析を実施、2×5度の

月毎の格子点値を作成したが、その充足率は10%程度。第U期では充足率50%を目指し漂流ブイ

を投入したい。

深澤:第U期は何個のブイを投入する予定か。

寄高:30個。購入は12年度に一括。展開は12〜13年度前半にかけて行う予定で、船舶のスケ

ジュールが最大の問題。

深澤:どこに投入するか。

寄高:亜寒帯の北西部が足りない。投入してもらう船舶は限られている。

深澤:まずどこに投入するかを考えるべきである。推進委員会資料は、今年度の成果をもっと詳

しく記述すること。

 

倉賀野(気象研究所):ラージスケールの海面高度では亜寒帯西部でプラス、東部でマイナスのト

レンドがある。T/Pによる海面高度と水温・塩分解析値から作成した海面力学高度の月平均の年平

均からの差はともに同程度の季節変動を示すが、位相はT/Pの方が先行しているように見える。

深澤:水温・塩分データ如何。

倉賀野:WOA。

深澤:解析期間は?

倉賀野:1961〜1990年。

深澤:図8からトレンドを除くと図9に近づくのか。

倉賀野:そうは考えない。図9は図8より前の期間のデータも用いているので、その差が現れて

いるかもしれない。

深澤:第T期の成果としてはラージスケールとスモールスケールに分けることでうまくいったと

いうことか。当初バロトロ成分とバロクリ成分に分けるという話があったが、これは難しいか。

倉賀野:いろいろ調べたが、難しい。

深澤:第U期は?

倉賀野:シミュレーションと同化をやりたい。同化の結果を評価するには実際の風を使ったシミ

ュレーションが必要。

 

寄高(中村委員の代理):P1の観測は1997年に「昭洋」で、1999年には「みらい」で行った。

1985年のThomas Thompsonとの観測結果との比較を行った。この課題は第T期で終了するが

第U期では各機関と協力してデータ解析を継続したい。

渡辺(資環研):1997年と1999年に違いはあるか。

寄高:差は小さい。欠測等なければ分解能から考えて、1997年と1999年の比較をする必要はな

いと考えられる。

 

渡辺:化学トレーサーの機器開発を行った。P1再観測で化学トレーサー、炭酸系物質、栄養塩

等の測定を実施し、10年程度の化学トレーサー分布変化を明らかにした。

深澤:推進委員会資料には今年の成果の図も加えられたい。

渡辺:成果としては47Nに沿ったCFC11の断面が最も適当と思われるので、それを添付する。

第二期はプラットフォームがないため観測ができるかどうかはわからない。東大へのデータ提供

やIOS等国際的なデータ交換を進めていく。

深澤:IOSと交換している「化学データ」の定義は。具体的に何を交換しているのか教えて欲し

い。

 

深澤:1999年5〜6月のP1観測で全炭酸系の観測をして、その解析を行った。第U期にはP1

についてはIOSとデータ交換を行い、全測線のデータにCTDやNCEPの風データも含めた総合

的な解析を行う予定。P17の再観測は、実施する船舶の候補はあるがまだ確定していない。2000

年度中にどうするかはっきりさせる。

 

四竈:11年度は11月に新たにAPEXフロートを5台投入した。10年度に投入したものも併せた

解析結果を紹介。第U期ではAPEXを等密度面に沿って漂流するタイプに改良することを予定し

ている。

深澤:第U期で第2分科会(中層水グループ)に移行するのは、亜寒帯全域をカバーするだけの

フロートの展開が困難と考えられたため、フロートの特性を活かすには中層水に着目した研究が

適当と考えられるため。

深澤:15台のフロートでTとSのプロファイルをたくさん取得できれば、それから等密度面に沿

った地衡流の場は計算できる。非地衡流的な流れに着目するのでなければ、APEXを等密度面に

沿わせる必要があるか。

岩尾:APEXを改良せずとも、PALACEと同じようにあらかじめ設定した密度の深さに沈むよう

にすれば十分では。

四竈:検討したい。

 

渡邊(遠洋水研):開洋丸、若竹丸、北光丸等による観測と歴史的データの解析が二本柱。開洋丸

によるP1観測と若竹丸、北光丸による観測から亜寒帯中央域の中冷構造の変化を調べた。第U

期では調査船による観測を維持し、中冷構造の空間構造、季節変動を把握し、その変動の実態を

明らかにする。

深澤:サブダクションという用語の定義に注意。また、中間評価以降得られた結果を資料に記述

すること。

 

古川:平成12年度の実施計画(案)を説明。第U期の推進委員会は、委員長:杉ノ原→花輪、委

員では、柏井→奥田、菱田→佐伯、石井→陶、佐々木→津田の各交代と、道田委員が新たに加わ

った。今後のスケジュールは、2/29:第3回推進委員会、4月初め:12年度積算資料作成依頼、

4月末:同締切、6月中旬:大蔵査定・承認、その後1ないし2か月で移替。

古川:実施計画の各担当のところについてチェックしていただきたい。また年次計画の中で12

年度と13年度について分けられる内容があれば、今週中にメールをいただきたい。

深澤:補足したい。第1分科会の主査は第U期は道田さん(4月から東大海洋研)になる。実施

計画については道田次期主査からすでに照会があったと思う。

古川:第T期の成果報告書は5〜6月に発注、7月末に締切、となる予定。また、第U期終了後の

最終報告書は評価を受けるスケジュールを考えると平成14年度の7〜8月に完成を求められるこ

とになると思われるので、ご留意いただきたい。

 

4. その他

 

深澤:第T期に実施した観測については、観測点の年月日、位置の情報を至急深澤まで提供され

たい。

杉本:推進委員会の資料は今週中に杉本まで(カラー図は20部)。旅費関係で、第U期から、シ

ンポジウムやWGの旅費は各研究担当者が各自で予算要求して各自の研究費の中から工面するこ

とになった。来年度のシンポジウム(筑波)は10月、その他にWGが2〜3月に1回行われるの

で、4月の予算要求の際は注意していただきたい。

 

以上