科学技術振興調整費

「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」

平成11年度第1回亜寒帯観測研究分科会

議事録


日時  平成11年7月28日 14.00〜17.30

場所  気象庁気候・海洋気象部会議室

出席者 深澤(主査)、渡邊、寄高、四竈、倉賀野、渡辺、安藤(以上委員)、

    杉本、吉岡(事務局)、

    古川、岩尾(オブザーバ) 

    (欠席:中村委員)

 

1. 主査挨拶

 中間評価に向けての作業で忙しくなるがよろしく。自己評価とU期移行のためのチェックシートを用意した。各自の自己評価のため及びWG1としてのまとめのために利用したいので、各自記入し、深澤までe-mailでいただきたい。今日は各自が用意した資料をもとにT期の目標と成果、U期移行への考え方を話していただきたい。

 

2. 各研究担当者からの報告

 

杉本(気象庁):(資料をもとに説明)

 

深澤(東海大学:主査)実施計画(資料No.2)にある「数か月の時間スケールの変動」についての成果如何?

 

杉本:季節変動については月平均値について、深さや場所毎の違いを見た程度。これからやりたいとは考えてはいるが…

 

安藤(気象庁):実施計画では水産庁との仕分けのため、気象庁は季節変動をやることとしているが、実際には経年変動と最近までの実況解析を中心にやっている。

 

深澤:評価は実施計画の目標がどれだけ達成されたか、が対象である。当初の目標ではTRANSPACの継続と季節変動であったが、季節変動を明らかにするためには、経年変動を調べる必要があり。当初予定しなかった成果が得られた、とする。

遠洋水研との協力はあったか。

 

渡邊(遠洋水研):研究に関しては具体的にはなかった。

 

安藤:開洋丸のP1にXBTプローブを提供した。遠洋水研からはデータを提供いただいた。

 

深澤:TRANSPACは継続できるのか。

 

安藤:一時期より状況は改善し、NOAAは新しい2隻の船を捜してくれた。NOAA自身もTRANSPACの観測を中断する意志はなく、第U期でも共同観測は継続できる見込み。

 

深澤:「みらい」や「開洋丸」にXBTプローブを提供し、WG1内で協力して有効な観測が行えたことは、予定しなかった成果として挙げるべきである。

U期の目標で倉賀野さんのGPVを使うことはWG1内での協力の観点から良いことである。評価資料ではT期の目標がこれだけ達成されたから、あるいはここまでしかできなかったので、U期にはこれをやる、といったようにT期との目標の達成度とU期の目標の関係が分かるように説明されたい。

 

 

渡邊:(資料にもとづき説明)北洋資源部が北水研に移ったためにU期では遠洋水研が亜寒帯域で観測を行うことは難しくなった。

 

深澤:資料の目標には実施計画にはないものがある。亜熱帯と亜寒帯の関連はどうするのか。

 

渡邊:継続しない。調査船による観測は遠洋水研としては困難であり、北水研に実施してもらうか、TRANSPAC維持の一環としてXBTプローブを気象庁から北水研に提供してもらう方法は考えられる。

 

深澤:水温極小構造のdecadalな変動と気象庁が明らかにしたレジムシフトとの関係如何。

 

渡邊:レジムシフトより短い時間スケールの現象と考える。

 

杉本:気象庁の解析は1986年以降に限られている。

 

深澤:実施計画では水温と塩分の経年変動をやるとなっているが、塩分については如何。

 

渡邊:最近の観測結果については利用している。

 

深澤:亜熱帯と亜寒帯の変動の関連、データのデータベース化については、なぜできなかったか、もうやらなくてよいのか、それともやる必要があるのか、はっきりさせること。開洋丸のP1再観測は当初予定しなかった成果に大きく書くこと。

 

 

寄高(海上保安庁):(「表面海流循環」の資料をもとに説明)T期3年の各年で7、6、4個のブイを放流できた。時空間的には2〜3割はカバーできたと考える。「表層循環の実態の一端を明らかに」という目標の字義通りの成果となっている。

 

深澤:メッシュ平均値はできるのか。

 

寄高:可能ではあるが、T期分だけでは「さびしい」ものになる。

 

深澤:長寿命化は当初予定されなかった成果にしてはどうか。本研究は機器の開発ではなく観測・解析が主目的のはず。

 

寄高:「スクリプスとの共同」という実施計画の中身を受けるつもりで成果に入れた。

 

深澤:目標は達成できたと言えるか。

 

寄高:全体としてはまだ足りない。

 

深澤:結果として、季節変動は把握できたのか。できなかったならできなかったで、例えばブイがたりなかったなど、理由をきちんと書くこと。できなかったことをできたとするよりも、これこれの理由でできなかったのでU期で是非やりたいとする方が良い。

 

 

四竈(気象研究所):(資料をもとに説明)

 

深澤:中層フロートと観測船のCTD観測の比較は行ったか。

 

四竈:行った。

 

深澤:中層フロートCTD観測の比較の話と、CTDだけのインバース法の話を整理して記述されたい。

黒潮を横断した話は、「当初予定しなかった成果」というより「予想していなかった観測結果」というべきではないか。とすればこれは成果の一つとしてよい。「当初予定しなかった成果」としてはフロートのデータをインバース法に組み込んだことを挙げてもよいのではないか。

 

四竈:了解。

 

深澤:U期の目標で「ケーススタディ」とは何のことか。

 

四竈:スナップショットの意だ。

 

深澤:要はT期から継続して観測を行うことと考えてよいか。U期の目標の後半部分は可能な観測データを全部組み込んだインバース法への発展と考えてよいか。

 

四竈:しかり。

 

 

寄高:(中村委員に替り「47N線の観測」の資料をもとに説明)水路部内の事情で1999年は測量船による観測はできなくなったので、評価をどうするか困っている。2期でどうやって貢献していくか手探り中。

 

深澤:1997年には水路部として観測を実施しているし、今年も「みらい」に水路部から乗船するのであるから、成果としてよい。測量船による観測ができなくなったのは「当初予定しなかった」ことであるが、SAGEグループで協力してP1の再観測を行ったとされたい。

 

渡邊:P1の再観測の窓口は水路部か。

 

深澤:実施計画では水路部がやる、としているが、実際には水産庁、東海大学等が協力して実施した(とする)。水路部は当初予定した成果とし、遠洋水研は当初予定しなかった成果とすればよい。

水路部としてはU期は47度線の観測については「行わない」ことになろうが、解析はどうするか。長期変動の検出は時間がかかると考えるが…

 

寄高:1997年の観測はT期で行うが…

 

深澤:今年のP1再観測の解析をどうするのかは検討が必要だ。水路部がU期に解析だけやるのか、他の機関が解析を行うとするのか。とにかく主な成果として1997年と1999年の観測について書くこと。U期への移行については「する/しない」をはっきりさせ、移行するならその必要理由、移行しないならなぜ移行する必要がないのか、はっきりさせること。

 

 

渡辺(資源環境研):(資料をもとに説明)

 

深澤:130E他で化学トレーサーの観測を行ったとしているが、これはSAGEの成果としてよいか。成果とするとデータポリシーからデータの公開を求められる。

 

渡辺:機器の開発はSAGEの予算でやったが、これらの観測データの公開は調整が必要となる。「観測を行った」ではなく、「データを収集した」とでもしたい。

 

深澤:T期とU期の違いを明らかにされたい。T期で行った機器の開発はU期ではやらないこと、U期では他のプロジェクトなどからデータを収集して解析を行うこと、を明示し、T期の成果とU期の目標との関係をはっきりさせること。

 

 

深澤:(資料をもとに説明)当初はU期にP16Nとアラスカ湾内の観測を予定していたが、その実施は非常に困難な状況になっている。「みらい」であれば平成13年度、水産庁では北水研に依頼してみたい。観測船を確保する努力は続けるが、確保が困難な場合はデータ解析のみが研究課題となる。その場合現状のWG1に属する必然性はなくなる。

 

古川(科学技術庁):5年目の平成13年度は予算が減らされるのは必至。特に観測については相当うまく理由を付けないと認められないことを覚悟されたい。

 

 

倉賀野(気象研究所):(資料により説明)

 

深澤:傾圧成分と順圧成分の分離は難しかったが、その替りにメソスケールとラージスケールに分離することを試み、うまく行ったと理解してよいか。

 

倉賀野:しかり。

 

深澤:であれば、このことがよく分かるような記述にされたい。また、空間スケールによる分離を行った結果新たな目標・問題ができたので、第U期ではその解析を行う、ということをわかりやすく書くこと。U期でフロントの変動を扱いたいとのことであるが、メソスケールとラージスケールに分けて調べるのか。

 

倉賀野:そのつもりだが、メソスケールに現れる変動を理解するのは困難であろう。ラージスケールの変動が主になると思う。

 

(まとめ)

深澤:U期への移行に関して、まずT期にやれたこと、やれなかったことをはっきりさせ、やれなかったならなぜやれなかったかを明らかにすることが重要である。それを受けてU期では、状況の変化によりやる必要がなくなったのか、やる必要はあるができないのか、それともやる必要があるから実施するのか、またT期でやった結果新たな問題点が見つかりさらにこれこれをやる必要があることが分かったからやるのか、を明確にすること。

自己評価のチェックシートは自己評価の下書きにしてもらう意味もある。

月刊海洋で他の研究を引用する際には、推進委員会の資料を「他の委員はこういうことを行っている」程度に引用して構わない。

日本海洋学会でのシンポジウムでは全員が発表するわけではないので、できるだけWG1の中でデータや結果を共有していることが分かるように発表すること。

 

杉本:(中間評価に関する資料、スケジュールについての説明)

「研究成果資料」(様式1〜4)は8月末までに事務局(杉本)まで提出されたい。WG1としてまとめて科技庁に提出する。

 

古川:これは正式な資料請求ではなく、9/16の「幹事会」のための資料である。

 

深澤:チェックシートはできるだけ早く直接深澤までメールで提出されたい。8/24からの「みらい」乗船する前には目を通しておきたい。

 

杉本:第2回WGの日程を決めたい。推進委員会が10/4であり日は限られる。

 

深澤:海洋学会開催中に函館で開いてはどうか。

 

→9/17夜に函館で開催。杉本は北大水産の岸さんに会場の確保を依頼するとともに、杉ノ原委員長に7/16のシンポジウム後(同日開催される)幹事会での意見等を受けて9/17に第2回WG1を開催したい旨、連絡する。

 

深澤:評価委員を務めた経験から、評価のための資料はできる限りシンプルに分かりやすいものが良い。参考説明資料などは文字入りのトランスペアレンシーのつもりでちょうど良い。

 

(最後に自己紹介を行い終了)

 

以上