科学技術振興調整費「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関す国際共同研究」

平成9年度第1回亜寒帯観測研究分科会 議事録


1.日時 平成9年10月3日(金)15時

2.場所 気象庁気候・海洋気象部会議室

3.議題 各研究担当者からの報告
     1)安藤2)水野3)寄高4)倉賀野
     5)四竈6)木下7)渡辺8)深澤
       今年度の研究計画と進捗状況,および期待される成果
       来年度以降の計画と期待される成果
       その他関連情報
     まとめと提言
     その他

4.出席者 主査  深澤 理郎   東海大学海洋学部
      委員  安藤 正    気象庁気候・海洋気象部海洋課
          水野 惠介   水産庁遠洋水産研究所低緯度海洋研究室
          寄高 博行   海上保安庁水路部企画課海洋研究室
          倉賀野 連   気象庁気象研究所海洋研究部第二研究室
          四竈 信行   気象庁気象研究所海洋研究部第二研究室
          木下 秀樹   海上保安庁水路部海洋調査課
          渡辺 豊    工業技術院資源環境技術総合研究所
      事務局 吉岡典哉    気象庁気候・海洋気象部海洋課
          吉田 隆    気象庁気候・海洋気象部海洋課

5.議事
○事務局(吉田)挨拶
○主査(深澤)挨拶と議事進行

 4つの分科会のひとつであるこの集まりは観測がメインであるが、研究上はオーバ ラップする部分もあると思っている。今後は分科会を越えた協力や調整も必要となっ てくる。とりあえず第1回ということでもあり、議事次第に従って各研究担当からの 報告(進捗状況・来年度の予定・見込まれる研究成果など)をお願いしたい(深澤)。


○各研究担当者からの報告
1)気象庁(安藤)

 (資料およびOHPにて説明)  NOAA側が打診している商船は11隻と聞いており、プローブ購入は気象庁全体 で一括購入のため官報公示中(安藤)。
 小分けしても年間で限度を越えれば国際競争入札となるので、それはやむを得ない (寄高)。
 プローブの最大到達深度はどの位(四竈)?
 750mまで。20ノット用を使用する予定(安藤)。
 定期船の航路は季節変動しているのでは(四竈)?
 その通りで、大きな問題となっている(安藤)。
 事情を知りたいのだが、93年に米海軍の予算が切れてからNOAAがXBTを維 持し続けたのは、それまで購入したストックや資金のやりくりなどNOAAが内部で やりくりしていたと言うことで、何ら科学的プロポーザルは無かったと思って良いの か(水野)?
 そうだと思う(安藤)。
 購入手続きの問題からやむをえないのだが、プローブは年度持ち越しで来年度使用 するのか?そうだとすると今年度の成果としては、非常に重要な作業であるが(SA GEのキーワードが入るとなお良いが)、NOAAとの文書交換か(深澤)?
 最終年度の扱いはさておき、基本的にその通り(安藤)。
 解説のあった「SEAS」とは何(寄高)?
 船位通報装置を含むシステムでNOAAが開発した装置。SHIP報,BATHY 報,TESAC報等が自動通報できる(安藤)。
 BATHY作成・発信まで自動化されていると聞いている(水野)。
 現業で使うBATHYはともかく、データを共有するという話であったが、具体的 にはどうするのか(深澤・水野)?
 NOAA側に打診している。恐らくBATHY以外のプロファイルデータはでNO AAが品質管理を行い、速やかに送付してもらうことになると思う。(SAGEのグ ループを含め)外部への配布・提供についてはまだ検討していない(安藤)。


2)水産庁(水野)

 (資料に沿って説明)
 XCTDの降下速度はどの位(四竈)?
 3.4m/SECと見積もっている。水温で2/100、塩分で3/100の精度 は出ている(水野)。
 2月の亜寒帯海域の観測航海で、何か技術的トラブルはあったのか(寄高)?  CTD観測は可能であり実績もある。但し1億円のダイナコン社製トラクションウ ィンチを使用しての話であるが(水野)。
 NODCに入っていないデータの発掘は今年度の大きな成果か(深澤)?
 関連部署とも相談のうえ、早急に資料をとりまとめ公表したいと考えている(水野)。
 99年冬の開洋丸が利用できる可能性について目途が立つのは来年1月という事は 、その時点で予算の積み上げを変更すればそれなりの有効活用ができる?その場合、 「戦略基礎」の関係もあって化学・生物関係は人材不足であり、海洋物理中心の観測 航海となるので今後検討が必要になるの(深澤)


3)水路部(寄高)

 (資料に沿って説明)
 実は8月の航海でSAGEの本年度予算分のフロートはすべて投入したが、その後 、釧路沖のフロートは死んだ。東洋通信機が製作しているが、外殻はゼニライトブイ だと思う(寄高)。
 情報としては、電池に関しては日本製が優秀であるが、ドローグは米国製の方が優 秀なようだ。日本製のドローグは吉野計器が製作したものだが、今後の改善のためニ ラー(SIO)に情報を求めている(寄高)。
 流れのデータは最終的にMEDSに入るのか(吉田)?
 ディレイ・モードで入っている。GTSへの登録は気象庁の手続きが簡略化された ので容易になったが、(GTSにデータをのせるための)手続きが遅れている(寄高)。
 データをできるだけ早く公開すべき。この問題だけではないが、全体としてSAG Eのデータベースをどのようにすべきか、皆さんで検討しましょう(深澤)。


4)気象研(倉賀野)

 (資料に沿って説明)
 研究者に蒲地が加わり同化モデルを用いた研究を担当する(倉賀野)。
 TOPEXによる海面高度のデータに関して、高緯度海域で誤差が大きい理由は( 寄高)?
 問題にはなっているが、原因は何故だか分からない(倉賀野・深澤)
 時間スケールを分けた解析を行うとの話であるが、今年度の成果に間に合うか(深 澤)?
 可能のつもり(倉賀野)。
 同化モデルを含めて海面高度の解析研究を行う立場からすれば、海洋内部の水温・ 塩分・流れのデータを可能な限り迅速に集め利用したいという事か(深澤)?
 その通りの希望を持っている(倉賀野)。


5)気象研(四竈)

 (資料に沿って説明)
 5台のPROFILE・ALACE(単価約220万円)を使う。月2回の上昇× 12ヶ月×5台で、年間のXBT120本分に相当するデータが入手できる見込み。 装置寿命は3年を見込んでおり日米価格差はあるものの、コストパフォーマンスはX BT並であることには変わりない。但し電波検査の問題から今年度中にデータが取得 できる可能性は乏しい(四竈)。
 海面浮上時のフロートの位置はGPSではなくアルゴスで決めるのか(安藤)?
 その通り(四竈)。
 今年度の成果はCTDとインバースを中心にして、来年度以降にP−ALACEを 持っていく案は如何(深澤)?
 他の研究との住み分け上の問題があって困難という事で了解頂きたい(四竈)。
 流れのインバースを行うなら表面フロートのデータも使うなどしては?研究をもう 少し広げると共にデータの流通を促す事を検討して見ては(深澤)?


6)水路部(木下)

 (資料に沿って説明)
 すでに北緯47度線を観測済みとなっている(木下)。
 今回の観測結果を過去のデータと比較するとの話であるが、栄養塩なども対象とす るのか(深澤)?
 来年度以降も努力するつもり(木下)。
 栄養塩を比較する場合にはスタンダードの比較が欠かせない。この件についてはN OAAのフィギーさんが知見を持っていると思うのでコンタクトしてみては(深澤)?  栄養塩スタンダードに関連した情報として、北緯44度・東経155度を観測する 場合にはJAMSTECが栄養塩スタンダードを提供する用意(「戦略基礎」関連) があると聞いている(渡辺)。
 それと、T・Sであれば水野さんのデータとの比較も検討してみては(深澤)?


7)資環研(渡辺)

 (資料に沿って説明)
 六フッ化硫黄の自動測定装置自体は開発を終えている(渡辺)。
 今年度の成果は(深澤)?
 白嶺丸で取った鉛直プロファイルがいくつか(渡辺)。


8)東海大(深澤)

 (資料に沿って説明)
 ねらいは栄養塩とpHの比から全炭酸を推定する手法の開発(深澤)。


○まとめと提言に関する議論

 観測研究全体に関連したコメントとして、今後はSAGEを中心としてWHP型観 測を維持する方針となる。希望としては、東海大の望星丸を利用したP16NのWH P観測を考えているが、その体制固めのためには化学分科会のようなグループが必要 となっており、実際に活動している。現在の段階では私的な分科会に過ぎないが、そ の位置づけについて議論したい(深澤)。
 (これについて各委員から議論百出)
 推進委員会で「みらい」との関連を聞かれる事は(四竈)?
 誰も応募していない以上、割り当ては無い。従って無関係では(深澤)。
 JAMSTECのプロジェクト研究である亜寒帯の航海との関連はある可能性もあ る?滝沢さんと連絡をとるべき(寄高)。
 了解した(深澤)。


○その他

 今後の作業手順であるが、本日の資料がそのまま推進委員会に上がる訳ではない。 今日の議論を踏まえて(必要に応じて)改訂すべき所は改訂して推進委員会用の文章 を深澤まで送って欲しい。深澤は全体をとりまとめて吉田(事務局)に回し、それを 各担当者に投げ返すので検討して意見を返して頂きたい。文章はその手順で練って行 くが、図は小さすぎるものなど見受けられるので各担当者はあらかじめ準備をお願い したい(深澤)。

 今年度は2回の会合を持つ事になっており、次回は年度末に開催し成果を持ち寄る 事になるのでよろしくお願いしたい。従って来年度の計画について(特に99年冬の 開洋が利用できる可能性について)検討する会合を持つ余裕は無いが、連絡を取り合 って調整する事になると思う(深澤)。