科学技術振興調整費による総合研究

「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」

平成13年度第1回研究推進委員会

 

議事録




【日 時】 平成131029日(月) 1330分〜1630

【場 所】 文部科学省別館第1会議室(文部科学省別館10階)

 

【出席者】

委員長:花輪

 員:宇治、遠藤、奥田、大山、佐々木、深澤、道田、安田、津田、永田、淡路

オブザーバー:伊藤(東北水研)、寄高(水路部)、石川(気象庁)

事務局:森、松本(文部科学省)      

敬称略


 

【議 事】

(1)開会

 

(2)推進委員会委員長挨拶

 

(3)

@前回議事録の確認

 

A研究実施計画の確認

深澤研究代表より、本年度実施計画の説明がなされた。

(花輪)大きな変更点はないが、「オーバーターンの解明」において強さを定量化することを目指しているといえる。

(松本)特に備品等については予算の執行は早めにお願いしたい。

 

B研究の進捗状況

●「亜寒帯循環観測」分科会からの報告

道田委員より、資料に基づき「亜寒帯循環観測」グループの本年度の進捗状況について説明がなされた。

(遠藤)AOUの増加と人為起源二酸化炭素の吸収量増加との関係はあるのか。

(寄高)二酸化炭素の大気中濃度が増えているので、吸収量が増えるのは当然。吸収量の増加が大気中での増加から予測されるものより低く、これは海洋の鉛直循環が弱まったためと考えられる。酸素のデータからも同様に鉛直循環が弱まったと裏付けられ、整合性がある。

(宇治)モデルと観測の比較も含め総合的な検討は重要だ。検討の成果を取りまとめるのには、時間が迫っているが、結果は出るのか。

(道田)合同分科会までには方向性は出したいと思う。

(安田)主に定線での中層水の変動を解析してきたWG2とのつながりで、亜寒帯循環の変動の特徴をまとめるとどうなるか。

(道田)遠洋水研の成果によると、165度線の中冷構造については93年頃からの経年変動が出ているので話題にはなっている。

(安田)西のほうでは94,95年を境に、表層付近が低温低塩分化、中層以下は高温高塩分化しているという北水研の調査結果が出ているが、かなりの南までこの傾向があるというが表層でこれと対応しているのか。

(道田)同じものかどうかはよくわからない。

(津田)西部GyreとアラスカGyre2つあると思っていたのだがそうではなくて、つながって回っているように今回の説明では見えた。本プロジェクトでこのようにイメージを変えるべきなのか。

(道田)解像度が粗いのではっきりとは言えないがドリフタの結果からはそう見える。

(深澤)歴史的データを集めてみると、冬は切れて、夏は切れないように見える。

(道田)平均場としては、多少ひょうたん型で全体に回っているように見える。

(花輪)時間軸上で各種の成果を整理する試みをお願いしたい。また、過去に考えられていたことが、実はそうではないという「売り」となるポイントをまとめる努力をしていただきたい。

 

●「循環系相互作用」分科会からの報告

安田委員より、資料に基づき「循環系相互作用」グループの本年度の進捗状況について説明がなされた。

(淡路)中暖水のオーバーターンの見積りを行っているが、もっと細かい層に区切って計算できないか。

(安田)層を細かく区切るとエラーが増えるので難しい。

(遠藤)モデルのほうでは3次元の流れが求められているので、どこでどれだけの水塊形成されるのかというモデルからの見積もりと比較する方向はどうか?

(花輪)2000dBarの流速場が出ているが、一方で20002500dBar基準の地衡流を出そうとしており、一つのストーリーを作るためには整合をとることが必要。

(安田)合同分科会までは測流を基準にしたものを目指し、全体を通して基準面を統一して出すという2本立てで進めたい。

 

●「二酸化炭素の挙動」分科会からの報告

津田委員より、資料に基づき「二酸化炭素の挙動」グループの本年度の進捗状況について説明がなされた。

(大山)最終的なとりまとめ方向はどのようになるのか。ある海域をとって、そこに出入りする二酸化炭素を求めようとしているのか、オーバーターンと結びつけようとしているのか、もしそうなら、想定される海域の全体量、海洋・大気間の交換量は求めることができるのか。

(津田)今の段階で全種類が埋まる海域は親潮のみである。表面の二酸化炭素のフラックスは北太平洋西部に広げることができる。各フラックスについてどれほどの海域が埋まるかについては合同分科会までに表にまとめたい。意外と埋まっていないはず。次へのステップとして、どこまでわかっていて何が必要かということをまとめておきたい。

(安田)WG2において亜寒帯から亜熱帯への流量は数値が求められるはずである。これを取り入れれば二酸化炭素の輸送量が求められる公式は出来上がっているのか。

(津田)自然サイクルの分はできるが、人為起源の分は起源の場所と時間を特定する必要があり、難しい。

(花輪)pCO2の季節変化・交換係数を使ったフラックスのマッピングはほぼ完了している。生物ポンプによるフラックスもすばらしい成果が出ている。「落としどころ」がほしい。亜熱帯循環系のストーリーにカーボンフラックスという形で入れることができないか。仮定をおいてこのように数字が出てくる、これまでとこのような違いがあるということをWG12と結びつけて説明できればよい。

(安田)人為起源のカーボンフラックスを出さなくてもいいのか。

(大山)三陸沖などは非常に複雑な海域であるため、自然サイクルそのものを明らかにするだけでもかなりの進歩と感じる。

 

●「データベース」分科会からの報告

永田委員より、資料に基づき「データベース」グループの進捗状況について説明がなされた。

(花輪)気象庁のSAGEホームページは月8000-10000ヒットしているということで、多くのユーザーを抱えているといえる。また、制作されたCD-ROM2枚についても、いろいろなところで利用されていると聞く。

 

C合同分科会について

安田委員より、資料に基づき本年11月につくばにて開催予定の合同分科会について実施案の説明がなされた。

(花輪)昨年の拡大幹事会では、「個別の研究発表を全員で聞くことで、各自の意識がよくわかった。今回も同様に行いたい」という話が出ていた。

(深澤)個々の課題はよい成果が出ているが、全体のまとめが不安。全体のまとめはいつ話し合えるのだろう。27日午後の全体会議2で大丈夫なのか。個別の発表を15分程度に短くして、全体会議2を長くとることはできないか。各WG主査がどのようにひとつの結論を出そうとしているのかとりまとめ方針を話し合って、横断的な提案を出せる時間があるとよい。WGごとのとりまとめがまだなので、全体のとりまとめはまだ無理なのではないだろうか。今回は各WGごとのとりまとめを優先すべきだろう。

(花輪)各WGには15分×人数という形で持ち時間を決めて、WG内部ではフレキシブルに発表時間を割り当て、必ずしも全員の発表を義務づけず、早めに切り上げてもよいのではないか。余りを全体会議に充てるのはどうか。

(津田)WGの個別の発表を聞いてから全体会議までには、主査がWGのまとめを考える時間がほしい。

(花輪)個別の課題について発表の後、全体会議に入る前に分科会に分かれてとりまとめる時間を取るとよい。

(安田)2日目午前で個別の発表を終えて、1330以降各WGの分科会とし、その後全体会議を行ってもう一度各分科会に戻るというのではどうか。

(深澤)28日午前の全体会議の性格はどういうものか。

(花輪)全体のまとめに向かうということでよいだろう。

(津田)MIX分科会は去年は想定したものの、結局やらずに個人毎の相談に終った。特に時間を設けておくべきではないか。

(宇治)テーマを想定してMIX分科会を設定しないといけない。

(花輪)WG2+3の中層水と炭素循環、時間軸、モデリング、などいくつか柱は考えられる。

(津田)MIX分科会では議論をリードするとりまとめ責任者を指名しておかないとうまくいかないだろう。

 

Dその他

東北水研伊藤氏より本年4月に行ったプレスリリースについて、資料に基づき説明がなされた。

(伊藤)観測を開始することは周知したものの、成果が出たことについてのプレスリリースが出来なかった。これについては、春の学会の時期に調整したい。

 

その他の発言

(永田) PICESのPOC(海洋物理学と気候科学委員会)では、2003年にウラジオストックで、「第三回オホーツク海と周辺領域についてのシンポジウム」の開催を予定している。

(安田)20027月頃ニュージーランドでWPGMが開催されるが、これに北太平洋循環のセッションを提案している。採択された際には奮って発表をお願いしたい。

 

(4)閉会