科学技術振興調整費による総合研究

「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」

平成11年度第1回研究推進委員会 議事録

 

【日 時】 平成11年6月28日(月) 13時30分〜17時00分

【場 所】 科学技術庁第11会議室(通産別館9階)

 

【出席者】

委員長:杉ノ原

委 員:淡路、菱田、若土、遠藤、宇治、佐々木、安田、柏井、石井、永田

オブザーバー:高芝(水路部)、溝部(水路部)、杉本(気象庁)

事務局:平野(科学技術庁)、古川(科学技術庁)

 

【議 事】

 

(1) 開会

 

SAGEが始まって2年たち、データも集まりつつある。データベースも整備されてきた。あと1年でとりまとめをしなくてはならないので、よろしく。(事務局)

 

(2) 事務局からの連絡

今年度は大谷先生が推進委員からはずれ、推進委員会は13名で構成する。

 

(資料NO.3について説明)

これまでの科振費では、プロジェクト研究としてのとりまとめがうまくいかず、個々に研究をしているのみという状況であった。科学技術振興調整費の「総合研究」として、今後は1つのプロジェクト研究の中で各機関がどういう役割を果たしているか、明らかにする必要がある。留意事項について、そのような観点からご覧いただきたい。

 

(3) 研究推進委員庁挨拶(杉ノ原)

 

第T期も最終年度となった。P1再観測が無事終了したと聞いており、着々と成果があがりつつある。今日は、第T期中間評価にどう対処するか、第U期をどうするか、について話し合いたい。問題は、プロジェクト研究全体としての姿を見せること、それを基に第U期をどうするか考えていく。

 

(4) 議事(司会:杉ノ原)

 

4-1) 中間評価について

4-1-1) 各WGごとのまとめと討論

 

「循環系相互作用分科会(WG2)」(安田)

 

(資料により、第T期の目標と成果、第U期の目標について説明)

・亜寒帯前線付近の研究は重要。(柏井)

・前線付近は、水温変動等のdecadalな変化が最も大きい。(安田)

・個々に何ができたかはよくわかった。WG全体でどうだ、というものは出てこないのか。

(宇治)

・モデルで使うにしても、そういうものが欲しい。(遠藤)

・WG2全体の戦略としては、親潮水の流量を観測から把握し、エリモ岬沖のT/P解析で高度場がどういう時流量がどうなっているかを解析して、循環の全体像を捉えることを描いている。定性的な絵なら第T期のまとめとして出せると思う。(安田)

・量的なものはどうか。(杉ノ原)

・南に流れる親潮がどれくらい戻るかわからないと無理。係留系や直接流速測定による繰り返し観測が必要。(安田)

・ARGOなどのpalaceで中層に深さをあわせるというのはその点で意味があるか。(菱田)

・ARGOはプロファイル。この海域は表層で流れてしまうから難しいのでは。(杉ノ原)

・今は断面を組み合わせて解析し、NPIWのでき方を推測している。本当はフロート等で直接どこの水がどこにいくか、といった観測も重要。(安田)

・今後、モデルと組み合わせ、モデルの中でどう流れているかなどもみていったらどうか。

(遠藤)

 

「二酸化炭素の挙動分科会(WG3)」(佐々木)

 

(資料により、第T期の目標と成果、第U期の目標について説明)

・資料NO.3の留意事項として、例として「二酸化炭素データを米国から取得する」ということが記述されているが、どうするのか。(遠藤)

・P1再観測のデータは基本的にWG1でまとめるということだが、SAGE全体に貢献されるデータで、WG3でも使用される。米国とのデータ交換については、WGで検討する。(佐々木)

・水路協会ではメタデータ等の整備を徐々に進めている。インベントリなどを加えていけば

データ交換に役立つのでは。(永田)

・人的資源の問題もあるが、検討する。(佐々木)

・他にもマッピング等を目指している研究があるが、他の研究との関係は。(菱田)

・全炭酸は測定自体難しく、中層まで測っているものは他にはない。係数のマッピングについては、他の研究も参考にしたい。

・中層の炭酸を測るというのは、表面の気候変動により生物活動が変わった結果がどの程度中層に輸送されているか、という指標にする意味か。(遠藤)

・季節変動を調べたというのは、表層の変動を反映しているから、ということでは。(杉ノ原)

・季節変動は、海域が親潮・黒潮等混ざっているので調べた。中層の炭酸は中層水の輸送を求めるための測定。(佐々木)

 

「モデル化及びデータ管理分科会(WG4)」(遠藤)

 

(資料により、第U期の目標について説明)

・来週分科会を開くので、WG4についてはそこでまとめたい。(遠藤)

・JODCでは、オンラインでクルーズレポート等入力できるようにした。水路協会では混乱水域の歴史的データを収集し、QC手法を確立(資料No.7)。World Ocean Dataのように範囲が広いものだとQCが粗いので、混乱水域に適したQCを行い、今年度中に配布できるようにする予定。(永田)

 

「亜寒帯観測研究分科会(WG1)」(杉ノ原)

 

・TRANSPAC, DRIFTER等の表層を扱うものと、P1再観測が主。おもしろい変動が見えてきており、今後はその変動をどう捉えていくかが大切。(杉ノ原)

・問題点として、TRANSPAC海域で船が動いていないため、観測の継続が難しい、ということが挙げられる。(杉ノ原)

・第U期は、東(P17など)をどうやっていくかが問題。開洋丸は、南北はダメだが東西のラインなら一部可能性がある。今までの成果として、50Nより少し南の170Wあたりで塩分躍層の下に中冷水が見られており、その点でも東の観測が注目される。(杉ノ原)

・そのような構造はアリューシャンの南で発見されている。その水がさらに南下したものではないか。(永田)

 

4-1-2) 全体討論

 

・表題に「気候変動」も並列に書いてあるが、これは「亜寒帯循環がわかれば自然と気候変動の解明にもフィードバックされる」という主旨と理解してよいか。(若土)

・実施計画(資料No.2)にも詳しく書いてあるが、海をきちんとやるのが気候変動には重要、ということ。(杉ノ原)

・P13の再観測であるが、気象庁が現在行っているのは「ちょっと深い」ところまでで、

WOCEワンタイムの再観測とは言えない。深いところまでの観測については気象研究所も必要性を認めており、今年度になって気象庁の再観測に対する感触がよくなったので、もう1度「ワンタイムなみ」ということで話をしてみる。(杉ノ原)

・時間スケールを意識すべき。SAGEで見たいのは10年程度。P1(15年)はちょっと空きすぎか。P13やP17ならちょうど10年位。(遠藤)

・レジームシフトという観点からならP1も別におかしくないのでは。(永田)

・P13がちょうど狙い目。10年をみるのには165Eが最もよい。(遠藤)

・P17は、実際のところほぼ無理と思われる。(杉ノ原)

・深いところまで精密に測るのは、C14みたいに変動がゆっくりしているものならわかる

が、中層水とは主旨が違う。現実の問題としては、全部をきちんとやるのは運航との関係で非常に難しい。現在気象庁で行っているP13の観測は、ラインの一部とか、C14を観測しないなど、一部分のみになっている。(宇治)

・今年も含めてあと3年間で1度P13をやろう、という話なら、まず気象庁でshiptimeを確保できなければダメ。あとは、人員等をどうSAGEとして協力していくか、という話になる。

(菱田)

 

4-1-3) 評価に向けてのまとめ

 

・「第T期で何を狙ったか」「どこまでできたか」「第U期で何を狙うか」を、各研究につ

いて、8月末くらいまでに作ってもらう。全体構想については、各主査に、道田、杉ノ原を加えた6名の幹事会で、8月中旬に1度集まって話し合い、まとめておく。この事務方は杉ノ原がする。(杉ノ原)

・第T期では各論的なイメージだった。第U期では全体として亜寒帯がどういう役割を果たすという話をしていく必要がある。(宇治)

・それはすでに第T期でしておかなくてはならない。(永田)

 

4-1-4) 評価に向けての今後のスケジュール(事務局)

 

(資料No.6に沿って説明)

・第一回評価WGの日程を考えると、第一回WGが7月上中旬、9月上旬に「研究成果資料」提出。シンポジウム時に幹事会で提出資料を議論、9月下旬に第二回WG開催。10月初旬に第二回推進委員会、10月中旬に評価WGへ提出、という運びとなる。(事務局)

・7月のWGは開催せず、e-mail等で代用しても構わないか。(佐々木)

・分科会の開催については、各WGの主査に任せる。(事務局)

・議事録を早急に作成し、今後のスケジュールをその一部に含めること。それを早急に委員に配布するように。(杉ノ原)

・別紙として議事録につけたいと思う。(事務局)

 

4-2) 前回議事録確認

 

・よくできており、承認ということにしたい。(杉ノ原)

(特に異議無し)

 

4-3) シンポジウムについて(安田)

 

(資料No.5に沿って説明)

・シンポジウムの日程、内容等については、数日前にすでに送っており、ご存知と思う。各研究項目の人数は、3名程度ノ絞らせてもらった。残された問題は、シンポジウムの特集号として、月刊海洋の原稿締め切りを8月末にするか1ヶ月遅らせるかということ。8月末なら、評価WGの一回目にぎりぎりで間に合う。(安田)

・ヒアリングが1回目だから、そこに間に合わないとあまり意味がない。(石井)

・1回目でだいたいの印象は決まってしまう.(淡路)

・本がその時までにでていることが大切。(菱田)

・本がSAGE全体として出してあると、まとまりがあるように見えて非常によい。それに加えて、評価の資料としてカラーの図が補足されていれば見た目が違う。(淡路)

・第U期のためにも、8月の末ということに決定する。世話係は安田さんにお願いする。

(杉ノ原)

・月刊海洋に書く分については、連名は何人でも構わない。シンポジウムの要旨は推進委員長および主査が書いたものをまとめた。要旨について何かあれば、明日までに安田まで。

(安田)

 

4-4) その他

 

・第二回推進委員会の日程を決めてしまいたい。(事務局)

・(調整の結果)10月4日、13時30分からとする。場所は科学技術庁の会議室のどれか。

(杉ノ原)

 

(5) 閉会

 

以上

別紙

今後のスケジュール

 

6月28日     第1回推進委員会

7月上旬〜中旬  第1回WG

           自己評価、研究成果資料の作成とU期に向けて

8月中旬     幹事会(各WG主査、道田、杉ノ原)

           全体構想について、評価WGに向けた資料作り

8月末      月刊海洋原稿締め切り(シンポジウムの話者のみ)

9月上旬     評価WG向け「研究成果資料」事務局(科学技術庁)へ提出

9月16日     シンポジウム

         幹事会による「研究成果資料」の検討

9月下旬     第2回WG

           主査に、「研究成果資料」について説明

           主査から、幹事会でのコメントについて説明

9月下旬     「研究成果資料」修正分提出

10月4日     第2回推進委員会

          「研究成果資料」の検討

10月中旬     評価WGに「研究成果資料」提出

10月末      月刊海洋「SAGEシンポジウム特集号」印刷

11月5日     第1回評価WG(ヒアリング)

11〜12月     第2回評価WG

           評価結果のまとめ

12月       研究評価小委員会

           評価WG主査より、研究評価小委員会に説明

1〜2月      第U期実施計画(案)の作成

2月       第三回WG

           第T期の報告

           第U期実施計画

2〜3月      第三回推進委員会             第T期の報告

           第U期実施計画(案)の確認