科学技術会議政策委員会研究評価小委員会
「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究」
平成11年度第1回評価ワーキンググループ
 
議 事 録
 

 

日 時:平成11年11月5日(金) 13:30〜17:30

場 所:科学技術庁第5会議室(通商産業省別館9階)

出席者:竹内、今脇、川辺、才野、松山、渡邉(以上評価WG委員)

杉ノ原、遠藤、佐々木、深澤、安田(以上研究代表者)

平野、古川(以上科技庁担当)、敬称略

 

議 事:

1.開会挨拶

1−1.科学技術庁担当官(平野)

1−2.研究推進委員長挨拶(杉ノ原)

 

2.出席者紹介

 

3.資料の確認

 

4.第I期成果報告

4−1.全体(杉ノ原)

竹内:想定された以上の成果とは何か?

杉ノ原:NPIWの黒潮続流域への流量評価、モデル計算での海流の正確な記述ができたことである。

才野:第I期では、個々の研究が独立して成果を出すことが目標だったのか?

杉ノ原:そうである。連携した研究は第II期に行う予定。

川辺:論文数50本以上とは本当か?

杉ノ原:本研究課題始める前からの成果を含むものが入っているが、本課題に関連した論文の数である。

 

4−2.課題1(深澤)

竹内:何をねらって、何が得られて、何が明らかになったのか?

深澤:今まで亜寒帯域でデータの少なかった冬季のデータ、塩分データ、漂流ブイ等のデータの取得を行った。

今脇:第T期では,もっぱらデータの収集に努め,その解析は第U期で行う,ということか?

深澤:第I期では時間の問題から取得したデータの解析が不十分であったが、第II期では解析に力を入れる予定。

川辺:TRNCEPACは本課題以外でもやっているのか?本課題の貢献度は?

深澤:NOAAと気象庁がやっている。本研究では、全体の1/5程度の観測を行った。

川辺:漂流ブイや中層フロートはどうか?

深澤:亜寒帯海域で漂流ブイを流したのは、初めての試みである。中層フロートによる観測は、電気中央研究所で行っているが目的が違う。亜寒帯中層循環をねらった観測は、本課題が始めてである。

才野:P1の成果は、北海道沖のデータが取れなかったことを残念だといっていたが、良い成果といえるのか?

深澤:事故のため観測点を減らさなければならなかったのは残念であったが、前回の10数年前の観測と比較するための非常に精度の良いデータが得られたことは評価できる。

 

4−3.課題2(安田)

今脇:集中観測で見積もった流量の意味として、北海道沖で入ってきた水と黒潮続流域ででていった水は同じ水か?

安田:違う水である。黒潮続流からでていった水は、親潮水と黒潮水の混ざった水であり、そのうちの親潮水の量を見積もったものである。

竹内:三陸沖のオホーツク海水で構成される親潮渦は本課題で初めて見つかったものか?

安田:塩分濃度が少なく、密度の軽いオホーツク水塊が三陸沖で高気圧渦をつくっているのは、初めて発見された。

竹内:三陸沖での親潮水の流量評価は、本課題以前の観測からは見積もられなかったのか?

安田:LADCPでの直接的な流量観測は初めてであるし、西岸境界流の流れも同時に観測したのは初めてである。この海域に入ってくる親潮水の量とでていく親潮水の量の差が、1Svという精度で流量を見積もったのも初めてである。

松山:ウルップ水道で観測したの係留系の数は?

安田:本課題で1台、ワシントン大学で2台。ワシントン大の2台は、2年観測のため現在も観測中。

 

4−4.課題3(佐々木)

才野:pCO2の量を見積もった海域はどの範囲か?

佐々木:北海道沖の観測線下をを通るpCO2の流量を求めたものである。

川辺:本課題以外では、CO2の観測はどのくらい行われているのか?

佐々木:亜寒帯海域では栄養塩等の観測は行われているが、炭素系の観測は全く行われていなかった。

竹内:炭素循環にとって冬季の観測が重要と思われるが、どのように考えているのか?

佐々木:1月のデータは第I期で取得したので、2、3月の観測を第II期で行いたいと考えている。

川辺:モデルから求めた炭酸ガス交換係数はどう評価できるのか?

佐々木:代表的な2つのモデルの中間的な値が得られた。観測との評価を第II期に行いたいと考えている。

 

4−3.課題4(遠藤)

今脇:シミュレーションで黒潮の離岸等がうまく再現できたのはなぜ?メッシュを細かくしたからか?

遠藤:よくわからないが、それも一因だろう。熱輸送も考慮したモデルでは初めて黒潮の安定的な離岸を再現できた。

川辺:データの一般への公開はどうするのか?

遠藤:原則的には、3年間は本課題内限りとしているが、一部はすでに公開している。

 

休憩

 

5.第II期移行計画案

5−1.全体(杉ノ原)

川辺:第II期も観測が多いようだが、十分に解析する時間があるか心配だ。

竹内:もっと研究の焦点を絞ることが必要ではないか。

才野:JAMSTECでは物質循環のグループが亜寒帯域での観測を計画している。今後は相互に情報交換をしながら研究を遂行していくことが必要ではないか。

 

5−2.課題1(深澤)

川辺:漂流ブイの形状は同じものか?

深澤:連携している国際的なプロクラム(SVP)との関係から、同じものを考えている。

 

5−3.課題2(安田)

竹内:課題1との違いは?

安田:課題2は北太平洋中層水に焦点を絞っている。

今脇:第II期もオホーツク海での観測を行うのか?

安田:北水研の観測はひきつずきおこなわれる。

オホーツク海における起源水の形成問題は「北大戦略」と交流しながら解決することを考えている。

才野:課題1と課題2は、オーバーラップしているように思えるのだが?

安田:課題1はBasinスケールの構造と変動に焦点をあて、課題2では北太平洋西岸付近の形成海域の中層水に焦点を当てている。

才野:課題2は他の課題と比べて進んでいるように思えるので、大きなスケールとの関連を解析していくことが必要ではないか。

安田:それをモデル計算でつなげたいと考えている。

竹内:もっと役割分担をしっかりすることが必要ではないか。

川辺:個々の研究を横並びにするのではなく、ポイントをはっきりさせれば課題1との役割分担もはっきりするだろう。

竹内:「ASUKA」のようなことをやってみては。

安田:東北水研の課題は1期から「ASUKA」の親潮版を目指しており、2系の係留系観測と各機関等の協力による20回以上のCTD観測が蓄積されている。北水研の係留系を厚岸沖からエリモ沖の高度計ラインに移し、係留系を集中させることも検討したが、エリモ岬沖は暖水塊等の影響が大きく親潮水が分布しなくなることがある,また、海底地形が複雑で親潮の流れのパターンが一定しないことがわかってきており、親潮の観測という意味でで5年以上継続してきた厚岸沖の係留観測線の継続も重要であると判断し係留系の集中は見送った。

 

5−4.課題3(佐々木)

才野:研究者の人数に対して目標が大きく、計画に無理があるのでは。特に、生物ポンプに無理がある。本課題では、当海域での物理量が精度良く求められているので、これを利用した計画を立てることが必要ではないか。

 

5−2.課題4(遠藤)

 

【研究者退室】

 

6.評価の進め方

竹内:全ての研究項目を全ての評価委員が評価するのは合理的ではないので、1人2課題づつを担当するようにしよう。協議の結果、担当は以下のとおり。

      課題1:竹内、今脇、川辺   課題2:川辺、才野、松山

      課題3:才野、松山、渡邉   課題4:竹内、今脇、渡邉  (敬称略)

古川:評価シートの記入の手引きに従い、第II期計画に対しても意見をいただきたい。

平野:先生方のご意見を最大限反映してII期計画を立てていきたいと考えている。

竹内:評価WGは全体及び各課題の評価にとどめ、個々の研究項目は推進委員会や幹事で評価すべき。

川辺:評価項目の中に評価しようがない項目が含まれている。

平野:改善するよう努力していきたい。