海洋環境コロキウム No.143
日時: 2009812()  15:0016:00
場所: 東北水研2階大会議室
 
題名:パルマ藻研究の重要性
−これまでの研究レビューと新たに解明されたこと−
演者:一宮睦雄
パルマ藻は細胞サイズが2-5 マイクロm5-8枚のシリカのプレートで覆われたナ
ノ植物プランクトンである。熱帯から極域の広い範囲に分布し、特に親潮域を
含む亜寒帯から極域でしばしば優占する。パルマ藻は珪藻と同様にシリカの殻を
形成するため、珪藻のシリカ合成能や生活史の進化を理解する上で鍵となる生
物群であると言われている。しかし、その培養株が確立されていないことから系
統発生および珪藻との関係は不明である。我々は蛍光色素等を駆使し親潮域に
分布するパルマ藻の単離を試み、世界で初めてパルマ藻培養株の確立に成功し
た。本発表では、これまでのパルマ藻に関する研究を整理し、確立された培養株
を用いて得られた結果を紹介する。さらに、今後の研究の方向性について議論し
たい。