近年、世界各地の海域で富栄養化や乱獲等の人為的インパクトにより、生態系のバランスが崩れてクラゲ類が異常発生し、漁業被害や臨海発電所の取水口を塞ぐなどの深刻な社会的問題を引き起こしています。クラゲ類はイワシ類等の動物プランクトン食性魚類と同レベルの食物地位にあることから、クラゲ類大発生の頻発化は魚類資源のさらなる低下をもたらします。海洋生物資源の有効利用、並びに漁業持続性の確保のためには、有害クラゲ類の増加を食い止め、バランスのとれた海洋生態系の保全や修復につとめなければなりません。しかし、クラゲ類の発生機構は不明であり、発生の予測や制御には至っていません。そこで本研究では、クラゲ類の大発生予測・制御技術の開発のために、クラゲ類の生理・生態学的研究、あるいはそれらに関連する研究を精力的に行っている研究者を選出して、オールジャパン体制により、目的達成に向け、下記の3つの中課題によるアプローチを行っていきます。

(1) ミズクラゲ発生機構の解明
(2) ミズクラゲの発生予測・制御技術の開発
(3) 大型クラゲの発生予測・制御技術の検討

各中課題の詳細については、研究の内容のページをご覧ください。