農林水産技術会議プロジェクト研究
「環境変動に伴う海洋生物大発生の予測・制御技術の開発」
 海洋生物には、生活史初期の環境条件により、生物が大発生するという特徴があります。わが国周辺沖合域では、数十年周期のマイワシやマサバなどの多獲性浮魚の大規模個体数変動(魚種交替)が知られており、まき網漁業や水産加工業など、水産業経営の不安定化を引き起こしています。一方、近年、日本海側を中心に大型クラゲが大量に出現するなど、沿岸域では人為的な環境変化に伴い、ミズクラゲやヒトデなど有害生物の大発生が頻発し、著しい漁業被害を与え、根本的な原因究明と対策が求められています。こうした大発生の背景には、海洋生態系における食物連鎖の変化を通じた、物質循環の変化があることが指摘されています。しかし現時点では、大発生が起こる機構は解明されておらず、大発生の予測や制御を通じて、資源の安定的利用や漁業被害の発生を防ぐには至っていません。
 このため本研究では、水産資源の持続的な確保と安定的な水産業経営に資することを目的として、魚種交替や有害生物大発生が生じる過程と要因を解明し、発生を予測する技術を開発するとともに、人為的な大発生抑制手法について検討していきます。
 本研究では、環境変動に伴う食物連鎖の変化過程の解明を通じ、魚種交替の予測・利用技術及びクラゲ類大発生の予測・制御技術を開発するもので、具体的には、以下の研究を目標としています。

(1) 魚種交替の予測・利用技術の開発
 環境変動に伴う餌生物生産の変化過程を解明し、イワシやサバ等の魚種交替を予測する技術を開発することにより、漁業資源を持続的に確保する手法の開発を行う。
(2) クラゲ類の大発生予測・抑制技術の開発
 人為的な環境の変化等によるクラゲ類の発生を予測できる技術を開発するとともに、大発生を抑制する技術を開発する。

詳しい研究内容については、それぞれの研究課題のページをご覧ください。