平成20年3月27日(木)、平成20年度日本水産学会春季大会(会場:東海大学)において、ミニシンポジウムを開催します。
東北区水産研究所八戸支所では、ニチモウ渇コ関研究所、水産工学
研究所、海洋水産システム協会などと協力して、沖合に分布するサン
マなどの未利用資源を利用し、高鮮度冷凍品やフィッシュミール、
スリミなどを船上で製造するシステムの開発にあたってきました
(漁船漁業構造改革加速化技術開発事業:「未利用資源を利用する
新漁業システムモデルと新型漁船(工船)の開発」)。
(写真は、「新漁業システム」を利用した試験用トロール網での漁獲風景。たくさんサンマが獲れた。漁業の改善に期待がもてる。)
この中では、サンマ、さば類などを効率よく漁獲できる中層トロー
ル漁具・漁法を開発し、船上でスリミ、フィッシュミールなどを試
作しました。
さらにサンマについては、時期別、サイズ別、海域別
の肉質、脂質含有量などのリストが作られています。
事業の最終結果として、沖合資源を利用するための漁船の設計と採算性の検討な
ども行われています。
以上のようにこの開発事業では、実用化を念頭に多くの検討が行わ
れており、経営不振に悩む沖合漁業の改善に役立つ多くの知見が得
られています。
この成果を下記のとおり水産学会春季大会のミニシンポジウムで
発表します。関係者のご来訪をお待ちしています。
名 称 : 平成20年度日本水産学会春季大会<ミニシンポジウム>
テーマ : 「多獲性浮魚を対象とする漁業生産システムの再構築」
日 時 : 平成20年3月27日 9:00〜12:30
会 場 : 東海大学海洋学部(〒424-8610 静岡県静岡市清水区折戸3-20-1) PDF地図
企画責任者
上野康弘(水研セ東北水研)・熊沢泰生(ニチモウ)・松下吉樹(長崎大)・
土屋 孟(海洋水産システム協会)・稲田博史(海洋大)
9:00〜9:05 開会の挨拶 土屋 孟(海洋水産システム協会)
●座長 稲田博史(海洋大)
9:05〜 9:35
1.日本近海の多獲性浮魚資源とその漁業の現状と問題点 上野康弘(水研セ東北水研)
9:35〜09:55
2.中層トロールによるサンマ・さば類の漁獲試験 松下吉樹(長崎大)
9:55〜10:15
3.浮魚対象大型表中層トロール漁具の設計 木下弘実(ニチモウ)
●座長 熊沢泰生(ニチモウ)
10:25〜10:35
4.サンマの洋上すり身・ミール等加工の試み 佐々木 溥(ニチモウ)
10:35〜10:55
5.太平洋沖合域のサンマの加工素材としての特性 和田 俊(海洋大)
10:55〜11:05 休憩
●座長 松下吉樹(長崎大)
11:05〜11:25
6.中層トロール工船(冷凍,すり身,ミール)の基本設計 近藤好樹(海洋水産システム協会)
11:25〜11:55
7.多獲性浮魚を対象とする中層トロール工船の採算性 熊沢泰生(ニチモウ)
11:55〜12:25
8.総合討論
稲田博史(海洋大),熊沢泰生(ニチモウ),松下吉樹(長崎大)
12:25〜12:30 閉会の挨拶 上野康弘(水研セ東北水研)
●企画の趣旨●
わが国の浮魚を漁獲対象とする大型漁船漁業の経営状態は,近海
資源の不振,魚価安、燃油費の高騰などの影響により経営状態が
著しく悪化している。一方、北太平洋公海域にはサンマなど未利
用水産資源が膨大に存在することが明らかにされている。これら
の資源は主に台湾,中国,韓国などによって利用されており,わ
が国の利用は一部に止まっている。また、世界的には、水産物需
要が増加し魚価が高騰しているにもかかわらず、国内の水揚げ価
格は必ずしもこれに連動して上がらず、むしろ魚価安が進んでい
る。
このシンポジウムでは、資源と漁業の現状を正しく認識する
とともに、公海域に分布するサンマなどの未利用資源の利用促進、
合理的な漁法と船上冷凍加工の導入を軸に沖合浮魚漁業の再構築
を提案する。
何かご質問のある方は東北水研上野までお問い合わせください。
上野康弘
独立行政法人水産総合研究センター
東北区水産研究所八戸支所資源生態研究室
青森県八戸市鮫町下盲久保25-259
TEL: 0178-33-3411 FAX: 0178-34-1357
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(参考情報)
名称: 平成20年度 日本水産学会 春季大会 → 学会ホームページへ
日時: 平成20年3月27日(木)〜3月31日(月)
会場: 東海大学海洋学部(〒424-8610 静岡県静岡市清水区折戸3-20-1)
水研センターでは、成果の普及と国民との双方向コミュニーケーションを図っており、
今後も会議等を通じて外部機関との連携を強化していく予定です。(第2期 中期計画)
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